2013 Fiscal Year Research-status Report
安定同位元素比分析の身元不明遺体の出身地域の推定への応用
Project/Area Number |
25440258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
染田 英利 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 助教 (70627695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 肇 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70145225)
米田 穣 東京大学, 学内共同利用施設等, 教授 (30280712)
橋本 正次 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (50138682)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 安定同位体比分析 / 出身地域推定 / 戦没者遺骨鑑定 |
Research Abstract |
平成25年度における研究業績としては、研究の基礎データを得るため、地域別、時代別の試料(抜去歯牙)の収集、分析を行った。 地域別としては、学会等の会合や研究紹介ウェブページを通じて、広く国内外の歯科医療機関に研究協力を呼びかけ、賛同を得られた機関から歯科治療上の理由で抜去となった歯牙を収集する体制を構築し現在分析を進めているところである。 国内に関しては、地域別の偏りのないよう全国の歯科医療施設9カ所から収集を行っている。国外については、現在フィリピン、サウジアラビアの2か国からの収集を行っている。今後の課題としては、国内では空白地域をなくすこと、国外に関しては対象国を増やすことが挙げられる。また、この臨床の場からの抜去歯牙の収集に関しては、防衛医科大学会研究倫理審査委員会による研究計画の審査承認を経て臨床研究倫理および個人情報の保護に十分配慮して実施している。 時代試料として、明治期、大正期、昭和30年代までのものとして、東京歯科大学所蔵の日本人歯牙コレクションを、昭和30年代以降試料としては上記臨床の場から提供された抜去歯牙を試料として分析検討を行っている。 これら分析に関してはは、東京大学総合科学博物館及び国立科学博物館筑波研究施設の同位体比分析装置を用いて分析を進めている。 分析結果を、他地域の先行研究者報告データと比較したところ、酸素及び炭素同位体比でアメリカ本土出身者とのの分布域に違いが認められ、同位体比分析により戦没者遺骨鑑定において両者の分別が出来る可能性が示唆された。時代別の検討では一部元素同位体比で時代推移が認められ出身地域推定に関して時代別補正の必要性が示唆される結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床研究倫理及び個人情報保護の社会的問題意識の高まりに伴い、研究計画の立案と審査に要するエフォートが増大していることが一因として考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、比較対象となる海外における調査地域を増やすとともに、同分野の研究グループとの連携により出来るだけ調査空白地域を減らし、世界的規模での出身地域推定に関する検討を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた平成25年度内の海外共同研究者との研究会への出席が先方の都合により26年度内へ変更となったため。 26年度7月を目途にフィリピンにおける試料収集に関する研究会(計画中)に参加予定である。
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Research Products
(3 results)