2014 Fiscal Year Research-status Report
性染色体ゲノムの比較によるパパイヤ性決定遺伝子の探索
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25450004
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松村 英生 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (40390885)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 性染色体 / 性決定 / ゲノム解析 / 遺伝子発現解析 / MADS-boxタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度のパパイヤ雄-両性の決定への関与が推測されたMADS-boxタンパク質をコードするCpSVP遺伝子について常染色体上の相同遺伝子(CpSVP_auto)を見出し、そのcDNA単離と配列決定および発現を解析した。この遺伝子を含むパパイヤCpSVP遺伝子配列と他の植物種におけるSVPおよび相同遺伝子(AGL24)の配列を比較した結果、SVP遺伝子群と類似することが示された。CpSVP_autoは雄、雌、両性の全てで発現し、葉および花芽で発現が確認された。この遺伝子の発現を性染色体上のCpSVP遺伝子の発現と比較すると相対的に低いレベルであった。これらの遺伝子およびYh染色体上の対立遺伝子について翻訳産物の確認を行うため、タグの付加およびバイナリベクターへのクローニングを開始した。 また、栄養生長期における性発現と関連した遺伝子を見出すため、雌、両性株の葉についてRNA-seq解析を行ったが、有意に性特異的発現をする遺伝子は見出されなかった。またRNA-seqデータからX染色体配列にマップされる遺伝子のみを選別して雌-両性の発現量比を解析した結果、有意差が見られなかったことから何らかの遺伝子量を補正する仕組みが働いている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノム解析、遺伝子発現解析を駆使した多面的な解析からパパイヤ性決定候補遺伝子を絞り込むことが出来、機能解析へと進めることが可能になった。さらに同内容について論文発表を行うことが出来た。 また哺乳類等で知られている性染色体上の遺伝子の遺伝子量補正と類似な現象がパパイヤでも見られるという新しい知見も見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
CpSVP遺伝子が実際に性決定に関与することを形質転換植物体において実証する。また両性(Yh染色体)におけるアリルでMADS-boxドメインが欠失していることの影響を評価する。これにはCpSVPタンパク質と結合するDNA領域をクロマチン免疫沈降解析により同定し、両性のSVPアリル産物による阻害効果の有無を見る計画である。 また雄、両性アリル産物の一過的発現による相互作用の有無についても評価する。
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Research Products
(3 results)