花粉キラーを制御する分子ネットワークの解明

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 25450012
• Research Institution: National Institute of Genetics
• Principal Investigator: 久保 貴彦 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助教 (00370148)
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: イネ / 生殖的隔離 / 雑種不稔

Outline of Annual Research Achievements

イネの“花粉キラー”の分子・生理機構を明らかにすることを最終目標として、原因遺伝子の単離同定と分子ネットワークの解明を目指す。H26年度は、次の２つを進めた。（１）EFS遺伝子の相補性検定：昨年度絞り込んだEFSの候補領域約35-kbの中で、候補ORFを含む93-11由来のゲノム断片14-kbをクローニングした。このゲノム断片による不稔性の回復を期待し、S24ヘテロ不稔個体への形質転換を進めた（形質転換体育成中）。（２）S24遺伝子の相補性検定：S24遺伝子の候補遺伝子として特定したANK3を含む93-11ゲノム断片をクローニングし、あそみのりに遺伝子導入した（ASO-S24OE)。結果としては、形質転換体当代T0世代での有意な不稔性誘発は認められなかった。そこで手法を変え、ANK3遺伝子導入による花粉不稔復回復をみるために、ASO-S24OEとS24ヘテロ不稔個体との交配を実施し、その交配種子を得た。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

（１）EFS遺伝子の相補性検定については、当初の計画に沿って進めることができた。（２）S24遺伝子の相補性検定については、現状のところ期待していた結果が得られていない。今年度計画していた機能解析については、２遺伝子の相補性検定が完了していない状況から、進めることができなかった。

Strategy for Future Research Activity

H２６年度に進めた１）S24の相補性検定、２）EFSの相補性検定、についてH２７年度も引き続き進める。相補性が確認できなかった場合は、次の候補遺伝子の形質転換を行なう。ASO-S24OEについては、次世代であるT1世代の稔性調査を実施し、結果の再確認を行う。相補性検定に目処が立ち次第、候補遺伝子の発現解析やタンパク解析へと発展させる。

Causes of Carryover

国際学会での成果発表を計画していたが、研究進行状況の都合により取り止めたため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度使用額は、7.4万円と少額であるため、試薬等物品費にあてる。