2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25450016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
田口 和憲 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター 畑作研究領域, 主任研究員 (80414754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 洋佳 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00355489)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 他殖性 / 連鎖不平衡 / テンサイ / ゲノミックセレクション |
Research Abstract |
平成25年は、北海道農業研究センター精密育種試験圃場において、作出した多系統合成集団をペーパーポット移植栽培法により評価し、サンプリングを行った。 ゲノムシャッフルした2つの実験集団(糖分循環選抜集団ならびに無選抜集団)の個体識別したDNAと形質データの取得(田口担当)については、北海道農業研究センター精密育種試験圃場において、ペーパーポット移植栽培法の生育条件で実施した。表現型の調査形質については、根重、根中糖分、糖量および品質成分(Na、K、アミノ対窒素含量)は、Sachs-Le Docte法の変法(テンサイの糖分分析の公定法)にしたがって詳細に調査した。α―アミノ態窒素は、比色計を使用して化学発色させた溶液の吸光度を測定することにより、ナトリウムおよびカリウムは炎光光度計を使用して測定した。得られた実験サンプルは個体別に緑葉を取得し、DNA抽出を行い、すでに他の育種集団で開発済みのDNAマーカーを用いて遺伝子型データの取得を開始した。 多系統合成集団の解析プログラムおよび育種シミュレーションプログラムの構築(岩田担当)については、高ヘテロ集団について、個々の遺伝子領域におけるマーカー多型やゲノムワイドマーカー多型をもとに、ゲノミックセレクションを行うための解析プログラムGS wizaredの適用を予備的に試みた。まだ遺伝子型データ数が不十分であるが、根中糖分などに有意なゲノミックセレクションの効果を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案書の計画どおりに、多系統合成集団を高度にゲノムシャッフルした集団を使って、循環選抜集団と無選抜集団について表現型データならびにDNAサンプルを無事に取得した。現在、いくつかの多型解析技術を利用して遺伝子型データの調査を進めている。解析方法については、田口・岩田の間で打合せおよび緊密に連携をとって、データの処理方法についても準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年以降は、既往の研究などから提案者が得ているテンサイのゲノム情報や近年公表されたドイツのドラフトゲノムシーケンスの情報等も活用し、高ヘテロ集団における連鎖不平衡の程度やシャッフリングによって生じた組換え遺伝子型のパターンについて調査を進める。また、複数の座におけるSNPやSSR多型についてもゲノムワイドに調査し、集団内のゲノム動態を解明する。選抜実験により、得られた形質データとDNA多型データを活用して両者の関連性を解析し、とくに根中糖分の高蓄積に着眼して、高ヘテロ集団を使った高速育種法の理論構築を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
DNAサンプル取得ならびに表現型データ取得が当初予定より遅れ、11月以降となり、遺伝子型調査点数が予定より少なくなったため。 テンサイ集団で多型性の高いSNP、SSR、CAPSなど、複数の多型調査技術を使って、遺伝子型調査点数を増やす。
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