2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25450016
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
田口 和憲 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター・畑作物開発利用研究領域, グループ長 (80414754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 洋佳 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 准教授 (00355489)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 他殖性 / 連鎖不平衡 / テンサイ / ゲノミックセレクション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、高ヘテロ植物集団2集団を根部搾汁液のBrix値で循環選抜した群と無選抜増殖群に分け、合計4集団(糖分循環選抜1群、糖分循環選抜2群、無選抜増殖1群、無選抜増殖2群)からなる300個体の遺伝子型情報をTaqman SNPおよびCAPSなどのDNAマーカー計91種類を用いて、各集団の遺伝構造の比較を行った。その結果、初期集団の組成や選抜の有無に関係なく、調査した4群全てにおいて、集団内で分離したマーカー座の9割はHWE(ハーディーワインベルグ平衡)に適合した。遺伝子型の分離パターンは、集団や選抜の有無によって様々であったが、一部に選抜集団で共通して増加するSNPのパターンもあった。4集団の多型情報を使ったAMOVAによると、変異の10%が集団間、90%が集団内の変異として説明可能で、循環選抜後も集団内の多様性が高度に保持されていた。さらに、個体間の遺伝距離マトリックスのデータからPCo分析を行うと、無選抜集団よりも循環選抜集団における個体間の多様性が増加し、この傾向は2集団ともに共通していた。さらに、gsWizardを用いて、2013年に測定した根中糖分の実測値と遺伝子型情報から得られるゲノミックセレクションの予測モデルを検討してみた。その結果、想定される個々の遺伝子座のLDレベルに対して利用したマーカー数が不十分ではあったものの、r=0.4前後の有意な相関関係を確認できた。このような高度にシャッフリングされた高ヘテロ植物集団でも、ゲノミックセレクションを応用した予測選抜改良の可能性が示唆された。
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