2014 Fiscal Year Research-status Report
イネの花粉形成・成熟過程における糖輸送の分子機構の解明
Project/Area Number |
25450032
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
廣瀬 竜郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター作物開発研究領域, 主任研究員 (90355579)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | イネ / 花粉 / 糖 / デンプン / 遺伝子 / 糖輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は研究計画にしたがって以下のように研究を実施した。 1)遺伝子破壊系統を用いた解析 昨年度までに得られたOsSWEET5遺伝子破壊系統の花粉機能を解析した。その結果、遺伝子破壊ホモ個体の花粉は正常に成熟し、稔実率にも変化はなかった。また、遺伝子破壊へテロ個体の後代分離比も正常であった。これらのことからOsSWEET5遺伝子は雄蕊で高発現しているにもかかわらず、破壊されても花粉機能に影響を与えないことがわかった。 2)遺伝子発現解析 昨年度までに得られた花粉のRNAを使った遺伝子発現解析を実施し、各種の糖輸送体に加えて糖・デンプン代謝系酵素遺伝子について広く解析を進めた。その結果、デンプン合成系遺伝子の一つであるOsAGPL4遺伝子がほぼ花粉のみで特異的に高発現しており、花粉におけるデンプン合成に寄与している可能性が高いことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
OsSWEET5遺伝子破壊系統の解析が順調に進んだが、同遺伝子が花粉の糖輸送において重要な役割を果たす証拠が得られず、研究目的の達成に対してやや遅れがあることを認めざるを得ない。一方、デンプン合成系遺伝子であるOsAGPL4遺伝子の花粉特異的発現が見つかったことは予想外の成果として評価できると考える。さらに、昨年度発見したOsSPS1遺伝子が花粉発芽に必須であることについて論文を発表することができ、有意義な成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究目的である花粉における糖輸送機構を明らかにするため、昨年度までに遺伝子破壊系統が得られなかった糖輸送体OsSUT3のRNAiによる遺伝子発現抑制系統の作出する。また、新たに花粉特異的発現が見つかったOsAGPL4遺伝子についても同様に遺伝子発現抑制系統を作出する。これらを使って、当初の研究目的の達成を目指す。
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Causes of Carryover |
次年度使用額40,275円は研究費を効率的に使用した結果発生した残額である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、次年度に請求する研究費とあわせて研究計画遂行のために使用する。
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Research Products
(1 results)