2014 Fiscal Year Research-status Report
アスパラガスにおけるルチン生合成系の光環境応答機構の解明
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25450035
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
前田 智雄 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (90530478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 華子 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (20507230)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アスパラガス / フラボノイド / ルチン / 遺伝子発現 / リアルタイムPCR |
Outline of Annual Research Achievements |
アスパラガス冬季伏せ込み栽培における栽培中の光環境制御がルチンの生合成に及ぼす影響を検討するため、光環境を変えて栽培したアスパラガスからRNAを抽出し、逆転写を行って得たcDNAをテンプレートに、ルチン生合成に関わるCHS, CHI, F3H, F3’H, FLS,さらにリファレンスに用いる予定のActin遺伝子についてプライマーの設計、PCR条件やリアルタイムPCRの条件の検討を行った。また、生合成系の最下流である配糖化酵素についてはこれまで同定例が少ないため、他作物で同定された配列を元にプライマーを設計し、クローンニングを試みた。その結果、配糖化酵素以外のすべての遺伝子についてリアルタイムPCR条件が確定できた。また、Actinについては、発現量はグリーンの無補光区、補光区、さらにルチンが含まれないホワイトの各サンプルによる差はほぼ見られず、一定であることが確認された。これにより、Actinはルチン生合成系の遺伝子発現解析時にリファレンスとして用いることが可能であることが確認できた。H27年1月に収穫したアスパラガスのサンプル(無補光区、強光補光区、遮光(ホワイト))から調製したcDNAを用いて、本格的に光環境がルチン生合成系の遺伝子発現に及ぼす影響についての解析を開始した。また配糖化酵素についてはこれまで他植物においても報告がほとんどなく苦労しているが、GT、RTのうちGTについては部分配列を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究により、ルチン生合成系遺伝子の関連するほぼすべての酵素の遺伝子について、遺伝子発現解析の準備が整い、本格的な発現解析に着手することができた。アスパラガスの栽培試験も予定通り行えており、研究はほぼ計画通りに進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度末に調製したcDNAを用いて発現解析を行うとともに、RACE法により各遺伝子の全配列を順次決定していく予定である。アスパラガスについてはこれまでフラボノイド生合成系の遺伝子については同定の報告がないため、貴重な知見になると考えている。
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