2014 Fiscal Year Research-status Report
24時間日長で花芽分化するイチゴ系統の収量特性の解明とそれに関与する遺伝子の同定
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25450045
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
柳 智博 香川大学, 農学部, 教授 (70221645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 祥子 公益財団法人かずさDNA研究所, その他部局等, 主任研究員 (20343973)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | イチゴ / 花芽分化 / 光 / 24時間日長 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者が育成したイチゴ系統T-18-2は,24時間日長条件下で25日間栽培することにより花芽分化し,その後約60日で収穫できる.本研究の目的は,T-18-2の生育と収量および花芽分化の特性を明らかにすることである.平成26年度には,夏季の6月,7月,8月に各25日間行った24時間日長による花芽誘導処理がその後の25℃条件の人工気象室におけるT-18-2の生育と果実品質に及ぼす影響について実施した. その結果,夏季のいずれの処理時期においても,花芽誘導処理で花芽分化が起こり,処理後約30日で開花することが明らかになった.また,25℃の人工気象室内でもT-18-2は,旺盛な生育を示し,草丈が30cm以上で推移し,開花後約30日で果実が成熟した.しかし,開花時に筆で人工授粉を行ったが,授粉が十分にできなかったためか,乱形果が多数発生した.なお,平均1果実重が約13gで促成栽培用品種に比べてやや小型であった.また.平均果実糖度が約11°と高かった.しかし,酸度も約0.8%と高かいことから,やや酸味の強いことが明らかになった.昨年度実施を予定していた項目については,ほぼ達成できた.ただ,乱形果が多く発生した点については,今後検討する余地があると思われる. 一方,系統T-18-2の24時間日長条件下で花芽分化を誘導する遺伝子を特定する目的で,T-18-2の自殖96個体のDNA分析を行った.さらに,それら96個体の24時間および16時間日長条件下における花芽分化の誘導について実施した.その結果,四季成り品種の系統が15株,20株が24時間日長条件下で花芽分化することを究明した.四季成り品種以外を交配親に用いて,四季成り品種が発生した事例は,世界で初めてである.なお,共同研究者によりこの96株のDNA分析が終了している.今後は,分担者の連鎖地図を用いてQTL解析を実施する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請用紙に示した実験は,おおむね実施し,結果を得ている.
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Strategy for Future Research Activity |
申請用紙に示した課題について実施する
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Causes of Carryover |
端数が残ったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,残金を含め次年度の使用計画で適切に支出する予定
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