2013 Fiscal Year Research-status Report
カンキツかいよう病の圃場抵抗性に関わる香気性成分の同定と代謝制御機構の解明
| Project/Area Number |
25450050
|
|---|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
| Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
|---|
Principal Investigator |
島田 武彦 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所カンキツ研究領域, 上席研究員 (10355399)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 朋子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所カンキツ研究領域, 主任研究員 (50355400)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
| Keywords | モノテルペン |
|---|
| Research Abstract |
近年、国内のカンキツ園地では、消費者の多様なニーズに応えるため、カンキツかいよう病に比較的強いウンシュウミカンに代わって、かいよう病に弱いオレンジ類を育種親系統に持つ中晩柑類の導入が進んでいる。今後の温暖化の進行によりカンキツかいよう病被害の深刻化が懸念されるため、栽培労力の低減や生産コストの削減に向けて、カンキツかいよう病抵抗性を持つ新品種の開発が期待されている。このため、本研究ではカンキツかいよう病抵抗性等の主要病害に関わる香気成分を同定し、その高含有化のための代謝制御機構を解明して、カンキツかいよう病抵抗性品種の育種に利用できる選抜指標を確立する。平成25年度は、連鎖解析の集団を作成するために、‘西之香’にポンカンの花粉を交配し、交配実生41個体を獲得し個体の育成を進めた。また、3種類のモノテルペン合成酵素遺伝子（CuSTS3-1, CuSTS3-2, CuSTS4）の全長を単離し塩基配列を決定した。GST融合タンパク質を用いた機能解析ではすべての遺伝子が基質のGPPからモノテルペンを合成するとともに、CuSTS4はFPPからセスキテルペンを合成することが明らかとなった。また、CuSTS3-1とCuSTS4はそれぞれ果実と葉のモノテルペンの合成に関わり、エリシター処理すると遺伝子発現が増加することを明らかにした。CuSTS3-1遺伝子をカンキツにアグロバクテリウムに導入し、遺伝子組換え体の作成を進めている。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カンキツかいよう病に抗菌活性を示すモノテルペンを同定し、その合成遺伝子の単離と機能同定を行った。
|
| Strategy for Future Research Activity |
カンキツかいよう病抵抗性と抗菌活性を示すモノテルペ含有量との間に相関がみられるかどうか検討するため、西の香とポンカンの交雑実生を用いて連鎖解析を進める。交雑実生を用いて約200マーカー程度のDNAマーカーをマッピングするとともに、香気成分の含有量のマッピングを行う。
|
| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
かいよう病抵抗性と香気成分の関係を明らかにするために遺伝子地図の作成のための実生集団の交雑を行ったが、天候の影響等で解析に必要な数を獲得できなかったため、遺伝子地図の作成に関わる経費（DNAの抽出、DNAマーカーのタイピング）を次年度に繰り越すこととした。
前年度の残額および本年度の予算の大半は、DNAの抽出、Goldengate SNPアレイのチップ代および消耗品に関わる費用として利用する。
|
