イネいもち病菌における圃場抵抗性誘導エフェクター遺伝子座の構造解析

2015 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 25450064
• Research Institution: National Agriculture and Food Research Organization
• Principal Investigator: 鬼頭 英樹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 本部企画調整部, 主任研究員 (40455308)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 安田 伸子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業研究センター病害研究領域, 上級研究員 (00355504) ; 善林 薫 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター企画部, 企画室長 (80355320) [Withdrawn]
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2016-03-31
• Keywords: イネいもち病 / 圃場抵抗性 / 非病原力遺伝子

Outline of Annual Research Achievements

本年度は昨年度に引き続き各種DNAマーカーの拡充を行った。圃場抵抗性を引き起こす非病原力遺伝子を保有するいもち病菌株において、菌株特異的なDNAマーカーを131個設計した。この中から親株間で多型が現れるマーカーをスクリーニングした結果、新たに96個のDNAマーカーを得た。また、追加のSSRマーカーのスクリーニングを行った。その結果、81個の追加マーカーを得た。これらの得られたDNAマーカーについて70株の交配後代における分離を調べ、MAPMAKERを用いて遺伝地図を作成した。
昨年度までの結果からテスターとなる圃場抵抗性イネ系統のPi34に対する菌株の病原性の判定において、判定困難な場合が生じたため、繰り返し試験を行うことにより病原性の判定を確定した。そのため、AVR-Pi34の進捗は計画よりも遅れているが、先行して実施したAVR-Pi35についての結果を元に同様の解析を進めた。
AVR-Pi35の候補遺伝子特定には至らず、いくつか実施できない実験がでてきてしまったが、遺伝学的手法を用いた解析により、圃場抵抗性イネ系統を強く侵すイネいもち病菌のゲノム構造について知見が得られた。
前年度に続いて戻し交配を行った。培養日数を検討したが、成熟した子のう胞子が得られず、交配親を再検討する必要があると考えた。
圃場分離株を用いた解析では、Pi35保有品種に対する病原力を評価した。その結果、Pi35保有品種を強く侵す菌株は得られなかった。