2013 Fiscal Year Research-status Report
TYLCVのゲノム複製における宿主RPA-ウイルス間相互作用の機能解明
Project/Area Number |
25450065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
山口 博隆 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜茶業研究所・野菜育種・ゲノム研究領域, 主任研究員 (30355664)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | トマト黄化葉巻病 / TYLCV / トマト / 宿主因子 / 相互作用 |
Research Abstract |
SlRPA1とTYLCVのC3タンパク質との相互作用に必要とされるSlRPA1のN末端110アミノ酸の範囲にerror-prone PCRにより変異を導入し、SlRPA1のmutant libraryを作製した。酵母Two-Hybrid系に基づいた相互作用検出系を利用して作製したmutant libraryを供試して、C3タンパク質との相互作用能を欠失した変異型SlRPA1タンパク質を検索した。その結果、1アミノ酸置換で相互作用を欠失する変異3種、2アミノ酸置換で相互作用を欠失する変異9種、3アミノ酸置換で相互作用を欠失する変異6種が確認された。SlRPA1の野生型および前述で作出した変異型SlRPA1、およびN末端、C末端からの部分欠損SlRPA1を過剰発現するコンストラクト、SlRPA1のORFを標的とするRNAiコンストラクト、SlRPA1およびC3と蛍光タンパク質との融合タンパク質を過剰発現するコンストラクトを構築した。これらのバイナリープラスミドをアグロバクテリウムに導入し、組換えアグロバクテリウムをトマト培養細胞237-7に感染させ、カナマイシンを含む選択培地上で選抜・継代することにより組換え培養細胞系統を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SlRPA1とC3の相互作用とTYLCV増殖程度との関連性を培養細胞増殖評価系で解析するための研究基盤を作出した。当初の研究実施計画の内容を達成したため「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
SlRPA遺伝子について改変を行ったstableな遺伝子組換えトマト培養細胞系統を供試して、TYLCVの増殖評価を行う。SlRPA1の発現量およびC3タンパク質との相互作用強度とTYLCV増殖程度を比較することにより、SlRPA1-C3間相互作用とTYLCV増殖との関連性を明らかにする。stableな遺伝子組換え培養細胞系統においてTYLCVの増殖程度に影響を与えるコンストラクトを選抜し、SlRPA1のORFを標的とするRNAiコンストラクトとともにトマトに導入し遺伝子組換えトマトを作出する。また、ウイルス感染時のSlRPA1の細胞内動態を明らかにするために、SlRPA1と蛍光タンパク質との融合タンパク質を培養細胞または植物体内で発現させ、細胞内局在を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品等の購入にあたり効率的な執行を心がけたため349,397円の次年度使用額が生じた。 次年度は組換えトマト作出、ウイルス定量に必要な分子生物学試薬等に必要な予算を見込んでいるが、次年度使用額については、組換え体作出系統数の拡大やより正確なウイルス定量のための実験連数の確保のために活用する。
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