2015 Fiscal Year Annual Research Report
代替カリ資源としてのバイオマス発電燃焼灰および乾燥海藻の肥料化とその活用
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25450083
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
松本 真悟 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (00346371)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 海藻 / 水草 / 中海 / 宍道湖 / バイオマス発電 / 燃焼灰 |
Outline of Annual Research Achievements |
水草処理にともなう資源循環の構築方法として、高温好気発酵分解処理法に着目し、刈り取った水草の減容化と肥料化を行い,その実現可能性を検討した.油粕を8kg添加して減容化した水草堆肥を窒素換算で0,12,24,36kg/10a施用し,化学肥料(12kg/10a)を対照とし,栽培試験を行った.トウモロコシの子実収量は水草堆肥の施用量に応じて直線的に増加した.慣行の化学肥料区(12kgN/10a)と比べて,窒素換算で倍量(24kgN/10a)を施用しても子実収量はやや劣ったが,3倍量(36kg/10a)を施用した場合には慣行化学肥料施用量の子実収量を上回った. 燃焼灰の酸処理は500mL容ビーカーを用いて行い,燃焼灰と(1)リン酸,(2)亜リン酸,(3)硫酸をそれぞれ50:50,60:40,70:30の比率で混合し,反応後の試料のpH,粒度分布,肥料成分含量および重金属含量を分析した.ポット栽培試験は燃焼灰の酸処理品を 供試肥料とし,塩化カリを対照とした.それぞれの肥料をK2Oとして,75,150,225mg kg-1施用した.窒素は硫安を用いて,すべての処理区で150mg kg-1施用した.施肥した土壌を1L容ポットに充てんし,2014年10月31日にコマツナおよびホウレンソウを播種し,12月24日に収穫した.燃焼灰と酸溶液の混合比率はいずれの酸溶液においても60:40の場合に中性付近となった.この混合比率において51~58%が1mm以上の粒径となり,取り扱い易い形状となった.収穫時のコマツナおよびホウレンソウの乾物重は処理間に有意差は認められず,燃焼灰由来肥料の肥効は塩化カリと同等であることが明らかとなった.コマツナのカリ吸収量は亜リン酸処理した場合に塩化カリよりも有意に高くなった.
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Remarks |
島根県東部と鳥取県西部にまたがって位置する汽水湖の中海(なかうみ)に大量に発生する海藻(オゴノリ等)を使用した肥料を製造・販売する企業です。同海藻(オゴノリ等)は高濃度のカリウムを含有しており、同肥料を使用した農作物の品質は良好であるとの意見が農家から出ています。当社は、島根大学生物資源科学部の松本真悟教授にご協力いただきながら、同肥料の製造・販売による地域の農産物の高付加価値化を目指しています
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Research Products
(4 results)