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2013 Fiscal Year Research-status Report

出芽酵母の前胞子膜形成におけるリン脂質代謝制御機構とその役割の解明

Research Project

Project/Area Number 25450094
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

舘川 宏之  東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (60251576)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords生体膜 / リン脂質 / 出芽酵母 / メンブレントラフィック / ジスフェリン
Research Abstract

出芽酵母前胞子膜形成過程におけるリン脂質代謝制御機構とその役割を解明するため、以下の研究を行った。
1 前胞子膜形成におけるリン脂質の細胞内局在変化の解析を行った。遺伝学の実験で関係が示唆されたPI4Pを中心に、各種酸性リン脂質検出用バイオマーカー (PA: Spo20-GFP, PS: lact-C2-GFP, PI4P: Osh2-PH-GFP, PI(4, 5)P2: PLC-PH-GFP)について野生株を用いて胞子形成時の細胞内局在を観察した。以前に報告のあるPA、PI4Pに加えて、PSも前胞子膜形成の初期から前胞子膜に局在することが明らかになった。PI(4, 5)P2については、前胞子膜形成の初期には前胞子膜上に観察されず、伸長後の大きな前胞子膜にのみ観察されることが示された。
2 リン脂質代謝系酵素のいくつかについて、前胞子膜形成時における細胞内局在の変化を、GFP融合タンパク質を用いて解析した。PI4-kinase複合体を形成するタンパク質のうちStt4pとEfr3p、PI4P 5-kinaseであるMss4pが前胞子膜上に局在することを明らかにした。また、spo73破壊株においてこれらの局在は変化しないことが示された。
3 前胞子膜上のリン脂質の組成を操作するため、前胞子膜伸長に欠陥のあるspo73株においてPI4-kinaseおよびPI4-phosphtaseを前胞子膜上に局在化させた。その結果、予想に反してPI4-phosphataseを発現したspo73株において胞子形成の回復が観察され、前胞子膜上のPI4Pのレベルの低下が前胞子膜の伸長と関係する可能性が示唆された。現在この可能性について検討を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

おおむね計画通りに研究は進んでいるが、一部最初にたてたモデルと合わない、興味深い結果も得ている。これを、解析することにより、新たな展開が期待される。

Strategy for Future Research Activity

今回得られた結果の一部は、前胞子膜上のPI4Pのレベルの低下が前胞子膜の伸長を促進することを示唆しており、最初の予想とまったく逆であった。まず、今回の結果について、様々な確認を行う必要がある。前胞子膜上のリン脂質の組成を操作する実験系が実際に機能しているのかを、バイオマーカー等を用いて確認することや、PI4-kinaseをデグロンを用いて特異的に分解する等、前胞子膜上のPI4P量を操作する別の方法を用いることが考えられる。
以前の結果と今回の結果から、PI4Pと前胞子膜伸長が関係することは確実なので、必要に応じて、前胞子膜伸長とリン脂質の関係についてのモデルを修正し検証していく必要がある。また、タンパク質の相互作用の実験や脂質との結合の詳細な検討についても行って行きたい。これらを通じて、出芽酵母前胞子膜形成過程におけるリン脂質代謝制御機構とその役割を明らかにしていきたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今回得られた結果の一部は、前胞子膜上のPI4Pのレベルの低下が前胞子膜の伸長を促進することを示唆しており、最初の予想とまったく逆であった。そのため、これについて検討する実験を優先的に行う必要が生じたため、相互作用タンパク質の解析を、次年度にまわすこととした。そのため、次年度使用額が生じた。
基本的には、最初の計画通り使用するが、次年度使用額分については、相互作用タンパク質の解析に使うことを予定している。

  • Research Products

    (4 results)

All 2014 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] SPO71 encodes a developmental stage-specific partner for Vps13 in Saccharomyces cerevisiae.2013

    • Author(s)
      Park JS, Okumura Y, Tachikawa H, Neiman AM
    • Journal Title

      Eukaryotic Cell

      Volume: 12(11) Pages: 1530-1537

    • DOI

      10.1128/EC.00239-13.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 出芽酵母の胞子形成に必須なPP1ターゲティングサブユニットの解析2014

    • Author(s)
      沼尻祐未 井上一朗 舘川宏之
    • Organizer
      日本農芸化学会
    • Place of Presentation
      明治大学
    • Year and Date
      20140328-20140330
  • [Presentation] ディスフェリンタンパク質であるSpo73の機能解析2014

    • Author(s)
      奥村祐哉 中村 毅 須田恭之 舘川宏之
    • Organizer
      日本農芸化学会
    • Place of Presentation
      明治大学
    • Year and Date
      20140328-20140330
  • [Presentation] 前胞子膜形成に必須な Spo73 は PI4P と関係する2013

    • Author(s)
      中村 毅 奥村祐哉 舘川宏之
    • Organizer
      酵母遺伝学フォーラム
    • Place of Presentation
      東北学院大学
    • Year and Date
      20130908-20130910

URL: 

Published: 2015-05-28  

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