2014 Fiscal Year Research-status Report
糸状菌の紫外線センシング：紫外線受容体の解明に向けた多面的アプローチ
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25450101
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| Research Institution | Shimane University |
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Principal Investigator |
木原 淳一 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (40294368)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 紫外線 / 植物病原糸状菌 / 光受容体 / イネごま葉枯病菌 / 遺伝子発現 / 胞子形成 / 光形態形成 / メラニン |
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| Outline of Annual Research Achievements |
糸状菌類において、胞子形成や色素合成等の光形態形成が、紫外線、青色光、及び、赤色光によって調節される現象が知られている。これら光形態形成の光受容体として、糸状菌類に特有の青色光受容体に加えて、植物の赤色光受容体（フィトクロム）、青色光受容体（クリプトクロム）や動物のオプシンに類似した光受容体の存在が明らかになっている。一方、イネごま葉枯病菌の分生胞子形成は、紫外線によって誘導され、青色光によって阻害される。また、イネごま葉枯病菌の黒色色素メラニンの合成系遺伝子の発現は、紫外線によって増加する。本研究では、イネごま葉枯病菌を用いて、紫外線受容体の実態解明のための基礎的研究基盤を確立することを目的としている。
植物では、紫外線受容体としてUVR8が知られている。UVR8には、アミノ酸配列において特徴的なモチーフがあるため、このUVR8と相同性が認められる遺伝子をイネごま葉枯病菌からクローニングし、遺伝子破壊による機能解析を行ったが、紫外線に対する反応の低下といった形質は認められなかった。また、この候補遺伝子の発現解析を行ったが、紫外線に対する発現量の差異は認められなかった。
一方、これまで、イネごま葉枯病菌のメラニン合成系に関与する遺伝子を明らかにしてきたが、メラニン合成系に関与すると考えられるTHR2遺伝子の機能が不明であった。そこで、メラニン合成阻害剤を用いて解析を行った結果、THR2遺伝子は、1,3,6,8-テトラヒドロキシナフタレン還元酵素をコードしていることが示唆されたことから、本遺伝子をT4HR1遺伝子とした。T4HR1遺伝子の発現は、他のメラニン合成系遺伝子と同様に、近紫外線照射によって有意に増加することが明らかになった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
紫外線受容体を欠損したと考えられる変異体の作出を試みているが、現在までのところ、変異体が得られていない。
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| Strategy for Future Research Activity |
イネごま葉枯病菌のゲノム情報を利用して、紫外線受容体の候補となる遺伝子を複数選抜し、機能解析を行なう。
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| Causes of Carryover |
期待していた研究成果が十分に得られなかったため、実験試薬等の購入、及び、学会発表を保留にした。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
問題点を早期に解決し、研究の効率化を進めるとともに、これまで取り組んでこなかった視点からの研究を推進する。
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