2013 Fiscal Year Research-status Report
エタノール発酵糸状菌の育種および探索とバイオエタノール生産への応用
Project/Area Number |
25450109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
米田 英伸 富山県立大学, 工学部, 准教授 (50285160)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エタノール / 糸状菌 / アラビノース |
Research Abstract |
エタノール発酵糸状菌M. circinneloidesの変異株ライブラリーを作製し、各種変異株の取得行った。M. javanicusの胞子懸濁液に対し、UV照射を行い、生存率1%程度の処理条件を選択し、変異株ライブラリーを作製した。各変異株を糖質源としてグルコース+キシロース、アラビノースのみ、あるいはグルコースのみを含む培地で培養後、残存する糖質や生成するグリセロールやその他のアラビトールやキシリトール、エタノールをHPLCにより定量することで、目的の変異株を選択した。また、得られた変異株のエタノール高生産のための培養条件の最適化を検討した。 アラビノースからエタノール生産可能な酵母や糸状菌を探索した。セルロース系バイオマスを多く含むと考えられる稲わらや落ち葉の堆積した土壌、植食性昆虫の共生微生物を中心に広く自然界から探索した。植食性昆虫の共生微生物として、富山県内の森林よりカシノナガキクイムシやその坑道や蛹室に繁殖したナラ菌を対象とした探索を行った。酵母や糸状菌を選択的に探索するため、pH3の培地を使用し、これにアラビノースまたはキシロースを加えて生育する微生物を探索した。得られた菌株について、培地成分、pH、温度、通気量等の培養条件を最適化したうえで、アラビノースからのエタノール生産性を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エタノール発酵糸状菌の変異株ライブラリーおよび自然界に生息する微生物からの目的の微生物の探索は順調に進展しているが、今年度の当初の計画であるアラビノース代謝酵素の解析は未達成である。
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Strategy for Future Research Activity |
スクリーニングにより得られた変異株及び単離株について、アラビノース代謝関連酵素として考えられるアラビノースレダクターゼ(AR)、L-アラビトールデヒドロゲナーゼ(LAD)、L-キシルロースレダクターゼ(LXR)、キシリトールデヒドロゲナーゼ(XDH)、およびキシルロキナーゼ(XK)の発現状況を明らかにするとともに、これらの酵素を高度に精製し、その酵素化学的諸性質を明らかにする。さらに、遺伝子クローニングを行い、その一次構造を決定し、なおかつその発現調節についても検討する。M. circinelloidesの酵素も含めて既報の酵素と比較し、アラビノース代謝やエタノール生産性との関連性を検討する。
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Research Products
(4 results)