2013 Fiscal Year Research-status Report
植物におけるcGMP/NOシグナリングの標的転写因子の同定と転写調節機構の解明
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25450127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山形 裕士 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00159203)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝子発現調節 / ダイズ / カルコン合成酵素 / cGMP / プロモーター解析 / シス配列 |
Research Abstract |
ダイズのCHS遺伝子のうちプロモーター中にUnit-I様配列をもつGmCHS7, GmCHS8, およびUnit-I様配列を持たないGmCHS2を材料としてプロモーターの刺激応答性をRT-qPCRで解析した。すなわち、暗所適応させたダイズの光独立栄養培養細胞(SB-P細胞)を暗所下、8-Br-cGMPで処理した結果、GmCHS7とGmCHS8のmRNA量は約4倍に増加したがGmCHS2 mRNA量は変化しなかった。また、NO供与体、SNP100 uMで同様に処理すると3者とも2倍程度に増加した。この結果、GmCHS2の発現に対するcGMPとNOの作用は異なることが示唆された。次に、SB-P細胞のプロトプラストを用いる一過的遺伝子発現系でGmCHS8のプロモーター中のUnit I配列がcGMP応答性シス配列であることを明らかにした。また、Unit-I配列はNO応答能を持たないことも示唆した。さらに、GmCHS7, GmCHS8プロモーター中のUnit I配列は光応答性のシス配列であることが推定されたが、GmCHS2はUnit Iとは異なる光応答性配列を持つことを推定した。さらに、ダイズフラボノイド合成に関与することが報告されたMYB176はcGMP応答には関与しないことを明らかにした。一方、シロイヌナズナのNAS1遺伝子のプロモーター解析をシロイヌナズナのT-87細胞プロトプラストを用いる一過的発現系で解析し、NO応答性エレメントを同定した。さらにこの配列に結合することが推定された転写因子を大腸菌で発現させ、精製して、NAS1プロモーターに結合することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
cGMP/NO応答性遺伝子プロモーター中にcGMP/NO応答エレメントを同定することを目的としていたが、シス配列の同定に成功し、目的を達成することができた。また、cGMPとNOに対するそれぞれの応答シスエレメントが異なることを明らかにした。これらの成果を論文で発表した。cGMP応答性シスエレメントとして見出したUnit I配列に結合する転写因子はbZIP型転写因子やMyb転写因子が推定されたが、同定には至っていない。一方、シロイヌナズナのNAS1遺伝子プロモーター解析を行い、NO応答性配列を絞り込んだ。この配列に結合する転写因子の候補cDNAを取得し、大腸菌で発現精製した転写因子がプロモーターに結合することを示した。以上のように当初の計画をほぼ達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ダイズCHS8遺伝子プロモーター中のcGMP応答性シスエレメントを同定できたので、今後は転写因子の同定と、遺伝子発現調節に至るcGMPシグナル伝達機構をタンパク質リン酸化を中心に解析を進める予定である。一方、NO応答性遺伝子発現調節については、シロイヌナズナのNAS1遺伝子について、NO応答性シスエレメントを絞り込むことができたので、一過的遺伝子発現系でこの配列の機能を詳細に探る。さらに、この配列に結合することを確認した転写因子の特性を詳細に解析する。特に転写因子のリン酸化による遺伝子発現調節機構の解析を中心に調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度に計画していた転写因子の同定計画が終了せず、一部次年度に繰り越したため、それに伴う消耗品の経費を次年度に繰り越した。 次年度使用額312,347円は全額消耗品(分子生物学試薬)に使用する計画である。
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