2013 Fiscal Year Research-status Report
個別化医療に向けた機能的rSNPの同定とデータベースの公開
Project/Area Number |
25450137
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
柳内 和幸 東邦大学, 理学部, 准教授 (30360704)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 転写因子 / 核内レセプター / ターゲット遺伝子 |
Research Abstract |
代表者が開発した改良型yeast one-hybrid法は、ヒトゲノムに存在する転写因子結合部位を系統的に同定するのにコストや効率面で非常に有用であり、これまでに4つの核内受容体結合部位を各300ヶ所以上ヒトゲノム内に同定してきた。この手法を用いて、生理的に特に重要な3つの核内受容体(PGR、MR、CAR)のヒトゲノム内の結合部位を同定する。同定した結合配列と各核内受容体との相互作用をin vitroとin vivoの独自のハイスループットな実験系で確認し、データベース化する。この情報を世界最大のSNPデータベースであるdbSNPと照合し、転写調節領域上のSNPを同定して、核内受容体に対する応答の個人差を生み出すrSNPを同定する。さらに、Functional rSNP DataBaseとしてWeb上で公開し、テーラーメイド医療の実現に貢献することを本研究の目的とした。 酵母を使った実験系は、生細胞の核内という意味では動物細胞と同じであるものの、動物細胞種ごとの特徴的なクロマチン修飾を受けておらず、「転写因子が全ヒトゲノム断片にアクセス可能な状態」と考えられ、細胞種の違いを超えた転写因子の結合配列の探索に適している。そこで、代表者が開発した改良型yeast one-hybrid法を用いて、全ヒトゲノムから核内受容体結合配列を系統的にクローニングする。コロニーダイレクトPCRによってヒトゲノム断片を回収し、得られた配列をシークエンスして染色体上にマッピングする。平成25年度は、主にホモダイマーを形成するPGRとMRについて解析を進め、ヒドゲノム上の結合配列を数十箇所同定することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標である「主にホモダイマーを形成するPGRとMRについて解析を進める」という目的を達成しており、ヒドゲノム上の結合配列を数十箇所同定することに成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は、主にヘテロダイマーを形成するCARについて改良型yeast one-hybrid法を用いて、全ヒトゲノムから結合配列を系統的にクローニングする。ポジティブコロニーについて、コロニーダイレクトPCRにてヒトゲノム断片を回収し、得られた配列をシークエンスして染色体上での位置をマッピングする。また、1年目に同定したPGRとMRの結合配列について、ハイスループットな転写因子-DNA間の結合強度の測定を可能にする独自の実験系(特注の電気泳動槽を用いた96ウェルゲルシフト法と384ウェル1分子蛍光分析法)で、各核内受容体の生化学的な結合強度をin vitroで測定する。さらに、ヒト細胞株を用いたレポーターアッセイや、PCRで回収したゲノム断片をスポットした低コストなオリジナル・マイクロアレイを用いたクロマチン免疫沈降法によって生細胞内での相互作用を解析する。
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Research Products
(1 results)