2015 Fiscal Year Annual Research Report
種々の病因となるプロリン特異性ペプチダーゼ類に対する新規阻害剤の研究
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25450138
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
芳本 忠 摂南大学, 理工学部, 教授 (60088870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米山 雅紀 摂南大学, 薬学部, 准教授 (00411710)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯周病 / 阻害剤 / プロリン / プロリルトリペプチジルペプチダーゼ / 米ぬか |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病菌のプロリルトリぺプチジルペプチダーゼ(PTP)は歯肉コラーゲンの分解に重要な酵素であることから、PTPに特異的な阻害剤が歯周病の治療薬となると考えられる。そのため、PTPに特異的に阻害する物質を求めスクリーニングの結果米ぬか抽出物に高いPTP阻害活性を見出した。米ぬか抽出物より硫安分画、疎水およびイオン交換クロマトグラフィーおよびゲルろ過により精製した。SDS-PAGEから分子量は約25kDaと推定した。この阻害物質はPTPに拮抗阻害するが、他のプロリン特異性ペプチダーゼ(プロリルオリゴペプチダーゼ、ジペプチジルペプチダーゼ4、プロリルアミノペプチダーゼ)にはほとんど阻害を示さなかった。一方、阻害剤のP. gingivalisの生育に対する影響を調べた結果、PTP阻害剤が存在すると生育できないことが分かった。25Kタンパク質をSDS-PAGEゲルから抽出し、トリプシン分解の後TOF-MSによるアミノ酸配列決定を行い、米データベースからSOD様タンパク質(Os05g0323900)が得られた。アミノ酸配列を基にcDNAを合成し、最初pET-23dをベクターとし発現を試みたが可溶性区分に殆ど見られなかった。そのため、pET32aベクターを用い、チオレドキシン(Trx) との融合タンパク質(His6タグ付き)として大腸菌で発現させた。不溶性タンパク質が主であったが、可溶性区分をNi-アガロースで精製,濃縮し組換えタンパク質(Trx-25K)を得ることができた。この融合タンパク質がP. gingivalisのPTP活性を阻害するが、Trxは阻害しないことを確認した。次いでこの組換えタンパク質の結晶化を行った結果、PEG-1000を用いた沈殿剤で菱面体晶の結晶が得られた。
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