2013 Fiscal Year Research-status Report
厳密な基質特異性を有するアラビノフラノシダーゼの構造機能相関の解明
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25450140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
金子 哲 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品バイオテクノロジー研究領域, 主任研究員 (90343821)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 糖加水分解酵素 / ヘミセルラーゼ / アラビノフラノシダーゼ / 糖加水分解酵素ファミリー62 / アラビノキシラン |
Research Abstract |
ゲノム遺伝子解析が完了している放線菌Streptomyces coelicolorより、糖加水分解酵素ファミリー62に分類されるα-アラビノフラノシダーゼ遺伝子をクローニングした。組換え酵素を得るために、クローニングした遺伝子をT7プロモーターによる大腸菌での発現と放線菌S. lividansの発現系を用いた発現を検討したところ、S. lividansの発現系によって活性型の組換え酵素を得ることに成功した。得られた酵素の特性解析を行った結果、本酵素の活性の至適はpH 5.5、35℃であり、pH 7~9の間、30℃以下で安定であることが判明した。また、様々な基質にへの作用を検討した結果、本酵素は小麦、トウモロコシ種皮由来、オートムギ由来のアラビノキシランへのみ作用し、アラビノースを遊離したが、アラビナンやアラビノガラクタン等のアラビノースを含む基質には作用しなかったことから、本酵素がα-アラビノフラノシダーゼであることを確認した。また、本酵素が示した基質特異性は、典型的な糖加水分解酵素ファミリー62に分類されるα-アラビノフラノシダーゼの特徴であったことから、未解明である糖加水分解酵素ファミリー62の作用メカニズム解明へ向け、構造機能相関の解析を行うため、本酵素の結晶化条件のスクリーニングを行った。20% (w/v) PEG3350、0.2M tripotassium citrate, pH 8.3の条件で、最大0.5 × 0.2 × 0.1 mmのロッド状の結晶が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大腸菌を用いた発現がうまく行かなかったことから、結晶へセレノメチオニンを導入することが困難になったが、難航すると思われた結晶化がスムースに進行し、重原子置換などの方法によって結晶構造が解析可能であり、次年度以降の研究計画に大きな変更はなく、研究を進めることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
Streptomyces coelicolor由来ファミリー62α-アラビノフラノシダーゼの結晶構造、糖結合構造を解明する。基質結合構造から、糖認識、糖結合認識、酵素の作用様式の決定に重要であると予想されるアミノ酸残基を特定し、変異体酵素を構築する。構築した各種変異体酵素の特性解析を行い、Streptomyces coelicolor由来ファミリー62α-アラビノフラノシダーゼの基質特異性のメカニズムを解明する。類似の性質を有する別ファミリーのアラビノフラノシダーゼの立体構造、基質特異性、そのメカニズムを比較考察する。
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Research Products
(1 results)