2014 Fiscal Year Research-status Report
厳密な基質特異性を有するアラビノフラノシダーゼの構造機能相関の解明
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25450140
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
金子 哲 琉球大学, 農学部, 教授 (90343821)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 糖加水分解酵素 / ヘミセルラーゼ / アラビノフラノシダーゼ / 糖加水分解酵素ファミリー62 / アラビノキシラン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度得られた結晶をもとに重原子置換法によりGH62アラビノフラノシダーゼの立体構造を解明することに成功した。本酵素はGH62触媒ドメインとCBM13基質結合ドメインから構成されるが、CBM13ドメインについては電子密度が得られず、構造を解明することができなかった。アラビノース、キシロトリオース、キシロヘキサオースをそれぞれソーキングした構造も解明し、本酵素の基質結合部位を特定したところ、本酵素はアラビノフラノースを認識するポケットに加え、主鎖キシランを認識する基質結合クレフトを有することが明らかとなった。このことにより、本酵素が同様のアラビノース側鎖を有するアラビナンには作用できず、アラビノキシランに特異的であることが明確となった。本酵素の基質特異性のメカニズムを解明するために、基質結合構造をもとに9種類の変異体酵素をデザインし、発現ベクターの構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
立体構造が解明できたが、糖結合モジュールの構造が得られなかった。しかしながら、基質結合モジュールは基質と酵素の親和力にのみ影響し、触媒ドメインの基質特異性には影響しないことから、本研究の計画の進行には問題ないと判断された。次年度には変異体酵素の特性解析を行うことが可能であり、当所の計画通り、厳密な基質特異性を有するアラビノフラノシダーゼの基質特異性のメカニズムを解明できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度構築した変異体酵素の特性解析を行い、厳密な基質特異性を有するアラビノフラノシダーゼの基質特異性のメカニズムを解明する。また、類似の基質特異性を有する別ファミリーのアラビノフラノシダーゼとの構造、基質特異性、そのメカニズムを比較検討する。
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