2013 Fiscal Year Research-status Report
バイオマス資源利用を目指した耐熱性キチン分解酵素の反応メカニズム解明
Project/Area Number |
25450143
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
峯 昇平 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 主任研究員 (70415751)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオマス / キチン / グルコサミン / 耐熱性 / 酵素 / 古細菌 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
本研究では、バイオマス資源の一つである「キチン」を医薬・健康食品として有用な「グルコサミン」に効率よく分解する産業用酵素反応系の構築を目指す。申請者は既に対象の2種のキチン代謝系酵素を好熱性古細菌Pyrococcusゲノムから見出し、これらが100℃の高温でも安定な活性を有することを確認した。そこで本研究では、この新規酵素群を対象に、基質認識、分解反応メカニズムを分子レベルで解明することを目的として、①各酵素の立体構造、②構造情報に基づく活性部位の特定、③複合体の構造解析による基質認識・分解反応メカニズムと最適利用条件の解明、を目指している。平成25年度の成果は、結晶性キチンを効率よくキトビオース(2糖)に分解する「耐熱性キチナーゼ」の精密な立体構造解析から、特異的な基質認識と分解能力が本酵素の構造的特徴に由来することを明らかにした。また、キチナーゼにより産生されるキトビオース(2糖)を特異的に脱アセチル化する酵素「耐熱性キトビオース脱アセチル化酵素」の立体構造解析に成功し、本酵素に特徴的な基質分解メカニズムを変異体解析により明らかにした。また本酵素は新規構造であり、他のゲノム由来酵素の立体構造と比較することにより生物学的にも重要な知見を有ることができた。また、最終目的物であるグルコサミンを生産できる「耐熱性グルコサミニダーセ」の結晶化、およびX線測定にも成功しており、現在構造解析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「耐熱性キチナーゼ」の立体構造解析、および機能解析に関する成果は論文(筆頭)投稿し、受理されている。次の「耐熱性キトビオース脱アセチル化酵素」の成果も論文(筆頭)投稿し、審査中である。「耐熱性グルコサミニダーセ」に関しても良好なデータが得られており、今後の成果が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果をもとに、その利活用に向けた基盤情報を収集する。具体的には、得られた構造情報に基づく活性改良設計、および類縁機能を有する新規酵素のゲノム探索などに利用できる有用な知見を収集する。そのために基質・酵素複合体の構造解析による基質認識、分解反応メカニズムの解明を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
共同研究先での研究実施が予定よりも順調に行うことができ、まとまった成果も出たため論文化作業を優先する必要があり、当初購入予定であった機器が次年度以降でも研究遂行に支障をきたさなかったため。 今年度、必要な物を適時購入し研究遂行していく予定である。
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Research Products
(1 results)