2014 Fiscal Year Research-status Report
バイオマス資源利用を目指した耐熱性キチン分解酵素の反応メカニズム解明
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25450143
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
峯 昇平 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (70415751)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオマス / キチン / グルコサミン / 耐熱性 / 酵素 / 古細菌 / X線結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、バイオマス資源の一つである「キチン」を医薬・健康食品として有用な「グルコサミン」に効率よく分解する産業用酵素反応系の構築を目指し、不足する2種の酵素を見出し、その反応メカニズムを解明する。申請者は既に対象の2種のキチン代謝系酵素を見出し、これらが100℃の高温でも安定な活性を有することを確認した。そこで本研究では、この新規酵素群の野生型と変異体を対象に、基質認識、分解反応メカニズムを分子レベルで解明することを目的として、①各酵素の立体構造、②構造情報に基づく活性部位の特定、③複合体の構造解析による基質認識・分解反応メカニズムと最適利用条件の解明、を目指している。平成26年度の成果は、キトビオース(キチン2糖体)を特異的に脱アセチル化する酵素「耐熱性キトビオース脱アセチル化酵素」に関する成果を論文化した。また、最終目的物であるグルコサミンを生産する酵素「耐熱性アセチルグルコサミニダーゼ」の立体構造解析に成功し、本酵素の基質分解メカニズムを変異体解析により明らかにした。現在はもう一つのグルコサミン産生酵素「耐熱性グルコサミニダーゼ」の結晶化、およびX線結晶測定を行っており、良好なデータを得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は「耐熱性キトビオース脱アセチル化酵素」の構造・機能に関する論文を2報(うち1報は筆頭論文)、「耐熱性アセチルグルコサミン」の構造・機能に関する論文(筆頭)を発表することができた。また、現在はもう一つのグルコサミン産生酵素「耐熱性グルコサミニダーゼ」に関しても良好なデータを得ており、今後の成果が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果をもとに、その利活用に向けた基盤情報を収集する。具体的には構造情報に基づく酵素の活性化、安定性の改良などが上げられる。そのために基質・酵素複合体の構造解析による基質認識、分解反応メカニズムの解明を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究が予定よりも順調に行うことができ、まとまった成果も出たため論文化作業を優先する必要があり、また当初購入予定であった機器が共同研究先で利用することができたため研究遂行に支障をきたさなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度、必要な物品を適時購入し、研究遂行していく予定である。
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[Journal Article] Expression from engineered Escherichia coli chromosome and crystallographic study of archaeal N,N'-diacetylchitobiose deacetylase2014
Author(s)
Shouhei Mine, Mayumi Niiyama, Wakana Hashimoto, Takahisa Ikegami, Daisuke Koma, Takashi Ohmoto, Yohta Fukuda, Tsuyoshi Inoue, Yoshito Abe, Tadashi Ueda, Junji Morita, Koichi Uegaki and Tsutomu Nakamura
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Journal Title
FEBS JOURNAL
Volume: 281
Pages: 2584-2596
DOI
Peer Reviewed
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