2014 Fiscal Year Research-status Report
抗老化効果をもつカロリー制限模倣物質の探索 -希少糖とそのデオキシ誘導体から
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25450156
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
佐藤 正資 香川大学, 農学部, 教授 (20263890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 明秀 香川大学, 希少糖研究センター, 助教 (40548765)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 希少糖 / 線虫 / カロリー制限 / 寿命延長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本計画では多数の希少糖を網羅的に合成し,そこから線虫Caenorhabditis elegans寿命延長活性を指標としてカロリー制限模倣物質(CRM)を探索とすることを目的としている。以下に今年度の実績を示す。 1-デオキシケトヘキソース異性体全8種(1-デオキシ-D-あるいはL-フルクトース,プシコース,タガトース,ソルボース)および6-デオキシ-D-プシコースを酵素的に合成した。これらのデオキシ希少糖を試料として,C.elegans 線虫寿命試験の予備試験となると考えているC.elegans 幼虫を用いた成長阻害試験(代謝阻害試験)をおこなった。その結果,1-デオキシ-D-プシコースにのみ著しい成長阻害活性を認めた。成長阻害のIC50値を計算したところ,D-プシコース53mM, 1-デオキシ-D-プシコース5.4mMとなり,D-プシコースの一位をデオキシ化することにより10倍の活性上昇が認められた。一方,6-デオキシ-D-プシコースには阻害活性が全く認められず,このことからケトヘキソース希少糖の代謝阻害活性発現のためには6-位の水酸基の存在が必須であること,すなわち,ヘキソキナーゼによる6位のリン酸化が必須であることを示している。以上の結果を2015年度農芸化学会大会(岡山)で発表をおこなった。現在,昨年度,開発した96ウェルカルチャープレートを用いたハイスループットな寿命延長試験を用いて,最も代謝阻害活性の強い1-デオキシ-D-プシコースの寿命延長試験をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備試験および寿命延長試験の確立に予想以上の時間がかかったため,寿命延長候補物質の寿命試験はまだ行なえていない。
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Strategy for Future Research Activity |
予備試験により,寿命延長候補物質を効率的に絞ることができた。最終年度は,候補物質について寿命延長活性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
年度末に使用予定だった若干の消耗品費(試薬の購入を予定)が実験の都合上必要なくなり,次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した消耗品費は試薬費として使用予定
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Research Products
(4 results)