2014 Fiscal Year Research-status Report
食品機能性成分の動脈硬化症予防作用と、ライブイメージングによる作用点の解析
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25450165
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
深尾 友美 お茶の水女子大学, 生命情報学教育研究センター, 講師 (20470172)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ガーリック / trisulfide |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化は、動脈壁における脂質の蓄積によって起こる慢性炎症性疾患であり、過剰に惹起される炎症の抑制が予防と治療に重要である。前年度までの解析により、ガーリック香気成分diallyl trisulfide(DATS)などの食品機能性成分が生体内の標的分子に作用し生理活性を発現することを見出している。本年度は、DATSが標的とするタンパク質の詳細な解析を行った。前年度に開始したクリックケミストリーによる解析に加え、対角線電気泳動法を用いてDATS標的分子の探索を行った。 ラットおよびヒト培養細胞株をディッシュに播種し、DATSまたはvehicleを添加した。経時的に細胞を回収し、得られた抽出液を非還元状態で一次元目の電気泳動を行い、同ゲルを還元剤で処理して二次元目の電気泳動を行った(Cumming et al., 2004)。ジスルフィド結合状態が変化したタンパク質を検出し、質量分析法によりタンパク質を同定した。これを標的タンパク質候補とした。その結果、DATSの標的タンパク質候補として、4つのタンパク質を標的タンパク質候補として得ることが出来た。これらのタンパク質についてWestern Blot法を用いてジスルフィド結合形成状態を確認した。これらのタンパク質は非還元状態でのWestern Blotにより高分子領域に検出されたことから、ホモダイマーまたはヘテロダイマーで存在することが示唆された。一方、vehicle添加においてはこれらのタンパク質はモノマーが主であり、高分子領域には検出されないか、少なかった。現在、DATS添加とこれらの候補タンパク質の機能変化の関係について明らかにするため詳細な検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動脈硬化モデルマウスを用いた検討が動物実験施設のスペースの制限により遅れている。連携研究者より同モデルマウスの組織の供与を受け検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
培養細胞を用いた検討を中心に進めつつ、動物実験の準備を行う。動物実験については連携研究者よりモデルマウス組織の供与を受け、これを使用した解析を進めている。本年度の検討でTrisulfideの結合タンパク質候補となった分子について、引き続き発現量の解析と相互作用の検討を行う。
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Causes of Carryover |
動物実験の開始が遅れており、当初予定していた飼育費がかからなかったため。連携研究者より組織の供与を受け飼育予定数も減少している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
動物実験のためにマウス購入費や飼育費にも使用する予定だが、規模を変更する可能性がある。培養細胞実験の試薬やラベル実験試薬にも使用する予定である。
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Research Products
(4 results)