2014 Fiscal Year Research-status Report
ヒト免疫細胞グルカン受容体を用いたハイスループット免疫賦活作用評価法の開発と応用
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25450186
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
氏田 稔 名城大学, 農学部, 教授 (50340295)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | β-グルカン受容体 / 組換えタンパク質 / 免疫細胞 / ヒト / 結合特異性 / 免疫賦活作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
組換えヒト新規β-グルカン受容体をカイコ-バキュロウイルス発現系により大量発現させ、ニッケル-キレート樹脂を用いたアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。この組換えヒトβ-グルカン受容体は細胞外領域のN末端側にヒスチジンタグが付加された構造を有しており、可溶性タンパク質としてカイコ幼虫体液に分泌された。この細胞外領域は首領域とC型レクチン様ドメインから成り、C型レクチン様ドメインにオリゴ糖鎖が付加していることが知られている。本組換えタンパク質では2つのグリコフォームの存在が確認された。このヒト新規β-グルカン受容体のグルカン結合特異性を解析した結果、従来のヒト免疫細胞β-グルカン受容体のグルカン結合特異性と類似してはいるが、それとは異なる特徴的なグルカン結合特異性を有することが明らかとなった。また、オリゴ糖鎖の違いはグルカン結合特異性に影響しないことも明らかとなった。さらに従来のヒト免疫細胞β-グルカン受容体のGFP融合タンパク質を作製し、それを用いたアッセイ系も確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、ヒトβ-グルカン受容体の結合特異性を解明し、食品成分の科学的なハイスループット免疫賦活作用評価法の開発に応用することを目的としており、これまでにカイコ-バキュロウイルス発現系における可溶性組換えヒト新規β-グルカン受容体の作製とグルカン結合特異性の解析に成功している。また、従来のヒトβ-グルカン受容体のGFP融合タンパク質の作製と機能解析も進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト新規β-グルカン受容体のGFP融合タンパク質を作製し、簡便・迅速・安価・高感度の定量的なグルカン結合特異性の解析方法を開発して食品成分の免疫賦活作用評価法に応用する。
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Causes of Carryover |
当初の計算よりも5円安くなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬の購入費の一部に充当する。
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[Journal Article] 組換えヒトチロシナーゼの酵素学的性質の解析2015
Author(s)
中村友也, 岡田幸美, 山口舞子, 横井奈津子, 近藤礼奈, 小野江菜津美, 駒倉理恵子, 加藤佑果, 鈴木友貴, 渋川弘貴, 奥村裕紀, 氏田 稔
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Journal Title
名城大総研紀要
Volume: 20
Pages: 9-12
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[Journal Article] Functional expression of recombinant human macrophage beta-glucan receptor dectin-1 using baculovirus-silkworm expression system2014
Author(s)
Ujita, M., Koike, S., Yamauchi, Y., Kiochi, N., Yura, H., Yamanaka, M., and Okumura, H.
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Journal Title
Biosci. Biotechnol. Biochem.
Volume: 78
Pages: 1203-1205
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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