2014 Fiscal Year Research-status Report
発展途上国における現地材料を用いた砂防施設の多面的な機能解析と計画手法の確立
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25450200
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| Research Institution | Hirosaki University |
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Principal Investigator |
檜垣 大助 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10302019)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 浩司 山形大学, 教育文化学部, 教授 (40292403)
井良沢 道也 岩手大学, 農学部, 教授 (40343024)
小岩 直人 弘前大学, 教育学部, 教授 (70296002)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 河岸侵食対策 / ガリー侵食対策 / 低コスト工法 / 流域管理 / 国際情報交換 / ネパール |
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| Outline of Annual Research Achievements |
1996-2000年にJICAネパール治水砂防技術センターおよびその技術支援で実施された河岸侵食対策モデルサイト（ウダイプール地区），1993年地すべり・土石流発生個所での砂防試験施工箇所（チサパニ地区）で、測量と写真画像の重ね合わせによる地形変化把握，植生変化調査を行ない、対策工の効果や維持管理上の課題について調査した。
ウダイプール地区では、シワリク丘陵内の未対策箇所では河道拡大が進んでいること，山麓にある下流部の堤防施工箇所では、河床高さに施工当時と大きな変化はなく設計幅検討手法の妥当性が確認された。また、住民参加で行った砂防林造成は一部で成功し，植栽木の成長，樹種の多様化が見られた。また，蛇かご材の風化・侵食耐性検討のため、現河道と詰め石の岩石種を調べた。同時に、聞き取りにより堤防施工前後の住民の移動定着状況を調べ、堤防施工による氾濫・土砂堆積の減少で住民定着が進んでいると推察された。
これらに加え，1964年以降の河道変化のデータを加え，成果を国際学術誌Landに掲載した。
チサパニ地区では、1993-1998年かけ地すべりが続いていた斜面農地が，JICA・森林土壌保全省が行った末端部の蛇かご渓流保全工で安定化していることに加え、同機関による避難シェルター兼食品保存倉庫設置や水・土壌保全プログラム実施によって、穀類から商品作物への転換やヤギ飼育等が進み、防災と村落開発の並行による山村の保全・発展が進んでいることが分かった。
今後、低コスト対策の土砂災害軽減機能の評価だけでなく、周辺の人口動態や生業の変化など社会経済的インパクトの調査も行って、発展途上国の山間地における総合的な低コスト砂防対策手法の評価についてまとめていく。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ガリー侵食については26年度に学会で成果発表を行った。河岸侵食対策は、17年前の施工時、昨年度と河床断面の比較を行い、地形変化と対策工効果を明らかにできた。さらに、住民聞き取りと砂防林の成長状況調査で植栽に適した樹木を整理した。また、過去の画像の比較から堤防構築後にその周辺の住民が定住していることが明らかになった。
チサパニ地区は、地すべり対策工事に加え住民参加防災と貧困軽減の取り組みが進み、新たに防災・地域発展を図る若手住民グループが組織されるなど、斜面安定による農地回復と社会的発展も見られる。
一方、施工材料選定の手法については、蛇かご材量となる石の風化耐性について検討が残された。
以上のような点から、概ね順調に進んでいると判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度は、ガリー侵食・河岸侵食・地すべり対策箇所の地形変化・施設の機能状況や、植生工法での植生成長状況の評価結果をとりまとめて、現地材料を活用した持続可能な低コスト砂防工法の設計・計画手法の提案を行う。その中で平成26年度未実行の蛇かご詰め石風化特性やコスト調査を行い整理する。
これらの成果については、学会発表や学会誌等に投稿するとともに、社会実装の面から、現地でその技術移転を図るためのワークショップを行う。具体的には住民や地域の砂防工事を担う技術者等を対象に英語で行う。
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| Causes of Carryover |
今年度予定していた蛇かご詰め石の風化特性試験を現地実験器具の都合で取りやめたため、この作業費用を次年度使用額として確保する。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度計画では、風化特性試験補助のためのネパールでの人件費（10万円）と材料採取のための国内旅費（8万円）を確保する。
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Research Products
(4 results)
