2015 Fiscal Year Annual Research Report
機能的・構造的樹木モデルを利用した稚樹の生態の統合的理解
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25450205
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
梅木 清 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (50376365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮沢 良行 九州大学, 東アジア環境研究機構, 研究員 (80467943) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 機能的・構造的植物モデル / 一次枝成長のモデル化 / 光合成速度のモデル化 / 個体蒸散速度の測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
光学的機器を使用して,常緑広葉樹5種(スダジイ,ヤブニッケイ,タブノキ,シロダモ,ヒサカキ)の葉の窒素含量・クロロフィル含量を簡易に測定できる技術を開発し,窒素含量・クロロフィル含量が葉齢と季節にともなって変化する仕方を解明した。窒素含量・クロロフィル含量の時系列データの解析にあたっては,葉齢にともなう直線的な変化と季節にともなう周期変動を分離する統計手法を開発した。窒素含量・クロロフィル含量は,季節変動を繰り返しつつ,葉齢にともなう変化を示したが,窒素含量・クロロフィル含量は必ずしも葉齢にともなって減少せず,明瞭な減少傾向を示す光合成能力とは平行しない結果となった。 個葉を小さなポリゴンの集合として表現する機能的・構造的植物モデルを開発した。このモデルを使用すると,受光量が個葉内で異なる場合の光合成量の計算が可能になる。さらに,このモデルで,開葉から落葉までの葉の位置・向き・光合成特性の変化を考慮しつつ,光合成量が計算できるようにした。 機能的・構造的植物モデルによる光合成速度・蒸散速度推定値の検証データとなる蒸散速度を計測する樹液流センサー(熱収支法)を作成し、千葉大学実験圃場の稚樹11個体に設置した。2014年8月22日から測定を開始し,10月上旬に測定機器の調整をして,2015年5月までデータを蓄積した。得られたデータを解析したところ,熱電対データに入るノイズが大きく(夕方の直射光や冬の強光の影響が考えられる),作成・構築した計測システムでは,千葉大学実験圃場の稚樹の個体蒸散速度が測定困難であることが判明した。 個体蒸散速度の実測値によって,機能的・構造的植物モデルの精度検証が困難となっため,葉の配置と向きが稚樹のガス交換に及ぼす影響の評価をモデル計算によって行った。
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Research Products
(2 results)