2013 Fiscal Year Research-status Report
雌雄異株樹木シオジの開花・結実は雌雄個体で同調するか?
Project/Area Number |
25450209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
崎尾 均 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20449325)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シオジ / 雌雄異株 / 開花 / 結実 / 種子生産 / 豊凶 / 温暖化 / 気候変動 |
Research Abstract |
雌雄異株樹木シオジの開花・種子生産の雌雄での同調性を明らかにするために、下記の調査研究を実施した。 1 種子および雄花生産量の長期動態の把握:シオジ天然林において種子トラップを設置し、シオジの種子および雄花を採取した。採取した種子及び雄花は乾燥させ保存した。また、開花結実周期と気温との関係を解析するために、気温・湿度データロガーを林内に設置した。 2 個体レベルの種子生産量および開花量:シオジの天然林、二次林、人工林においてシオジの雌雄個体レベルでの開花と種子生産量を把握した。調査は双眼鏡による目視で開花量と結実量を5段階評価した。本年度は、3調査地ともにある程度の開花・結実が見られ、雌雄で同調する傾向が見られた。 3 シオジ個体の性表現の確認とサイズ構造、直径増加量:3調査地においてシオジの雄・雌・未成熟個体の比率を明らかにするために、フィールドスコープにより樹冠の花を観察し、雌雄を確認した。その結果、雌雄の性比は3調査地ともに1:1であった。また、3調査地のシオジの胸高直径を測定し、雄・雌・未成熟個体の間でサイズに違いがあるかどうか調べた。未成熟個体と繁殖個体の間には差が見られたが、雌雄差は見られなかった。また、樹木の性表現の違いや開花結実量が直径増加量に与える影響を明らかにするために、3調査地において雌雄10個体ずつバンド式デンドロメーターを設置した。これにより、毎年の成長量を雌雄の間や開花結実量と比較する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
25年度の研究計画はおおむね実施でき、研究成果も得ることができた。ただ、項目1に関しては進捗がやや遅れている。 1 種子および雄花生産量の長期動態の把握:シオジの種子と雄花の採取は計画どおり行うことができた。ただ、当研究室の乾燥機が故障し、更新する必要が生じたので、シオジの種子と雄花の乾燥重量の測定は26年度にまわすことになった。 2 個体レベルの種子生産量および開花量:予定どうりの研究成果を得ることができた。 3 シオジ個体の性表現の確認とサイズ構造、直径増加量:予定どうりの研究成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度の研究はほぼ計画どおりに進捗しているので、26年度も当初の計画通りに研究を進める。ただ、25年度に実施できなかったシオジの種子と雄花の乾燥重量の測定を26年度にまわすことになるが、非常勤職員を雇って行うために研究時間上の問題は生じない。また、予算に関しては25年度の予算のうち次年度使用額(25年度の人件費)が生じているのでそれで十分対応できる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当施設の乾燥機が故障したために25年度に採取したシオジの種子と雄花およびこれまで保存してきた種子と雄花の乾燥重量の測定を行うことができなかった。そのために、非常勤職員の人件費およびそれに伴う物品を購入する経費が余った。 26年度には当施設の乾燥機の更新を行うので、乾燥重量の測定が可能となる。これまでに保存してきたシオジの種子と雄花にあわせて、26年度に採取するシオジの種子と雄花の乾燥重量の測定を行う。25年度で生じた次年度使用額によって、非常勤職員を雇用および物品の購入を行い、シオジの種子と雄花の乾燥重量の測定を26年度に行う。
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