2013 Fiscal Year Research-status Report
シイタケ子実体形成関連遺伝子の同定手法の開発とその機能解析
Project/Area Number |
25450245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
目黒 貞利 宮崎大学, 農学部, 教授 (50112321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 一郎 宮崎大学, 農学部, 准教授 (90526526)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シイタケ / 子実体形成 / 形質転換 / プロトプラスト |
Research Abstract |
シイタケ子実体形成関連遺伝子の同定手法の開発については、形質転換手法の確立が必須である。本研究ではプロトプラストーPEG法による遺伝子導入法を検討することとした。本年度シイタケ菌糸体からのプロトプラスト調製法について検討するため、他の白色腐朽菌で確立した方法をそのまま適用したところ目標数値である0.5×10の8乗/菌糸体に達することが出来なかった。これはセルラーゼ処理に用いた菌糸体量が少なかったことが大きな要因であると考えられ、菌糸の培養条件を検討することで今後改善可能であると考えられる。一方で、子実体形成に関する知見を他の角度からも検討するために、液体培地中での子実体形成過程における培地成分の検討を行った。本実験は、遺伝子発現の結果生ずる代謝産物の変化から、子実体関連遺伝子の推定を試みることを目的とした。子実体形成期における培地pHを測定したところ、子実体原基形成期に急激なpHの低下が観察された。また、培養ろ液のクロロホルム/メタノール抽出液および酢酸エチル抽出液を誘導体化後GC/MS分析に供したところ、主要な脂肪酸としてパルミチン酸とステアリン酸が検出されたが、子実体形条件および子実体非形成条件において差はなかった。従って代謝物の網羅的解析からの子実体形成関連物質同定および関連遺伝子の推定は困難であることが分かった。一方、形質転換に用いる発現ベクターについては、ゲノム情報の欠如から有用なプロモーターおよびターミネーター取得が困難であったことから、ゲノム配列が公開されているPhlebia brevispora由来のPDC遺伝子とその周辺領域を取得し、薬剤耐性遺伝子およびGFPを連結した形質転換ベクターを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究においては、シイタケ菌糸体の生育が遅いことから、高濃度のプロトプラスト溶液取得が現在最大の難関であり、目標値に達していないため、やや遅れていると判断できる。しかしながら、培地条件および培養条件を検討することで改善可能であり、次年度以降に達成可能であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
プロトプラストを調製し、構築したPhlebia brevispora由来の発現カセットを保持する発現ベクターを導入し、形質転換効率を算出する。プロモーターは十分機能すると予想されるが、万が一機能しない場合は、他の担子菌ゲノム配列から複数のPDC遺伝子領域をクローニングし、発現ベクターとする。同時に、既報にある子実体形成関連遺伝子のクローニングを進め、順次高発現させることで、子実体形成への関与を検討する。
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