2014 Fiscal Year Research-status Report
酵素処理と機械的処理による高アスペクト比のタケミクロフィブリルの単離とその応用
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25450251
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
林 徳子 独立行政法人森林総合研究所, きのこ・微生物研究領域, 主任研究員 (20353815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 知子 独立行政法人森林総合研究所, きのこ・微生物研究領域, 主任研究員 (60353728)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | タケ / ナノファイバー / ヘミセルロース |
Outline of Annual Research Achievements |
モウソウチクチップを16%または18%の苛性ソーダでアルカリ蒸解後漂白して得られるタケパルプ懸濁液にエンド型のセルラーゼを投入し、超音波処理(2時間)と撹拌を繰り返して2-3日間処理した後、遠心分離による洗浄を行った。遠心分離の上清において、1%以下のナノファイバー懸濁液が得られ、ゲル化することを確認した。また、ゲル化する増粘多糖類であるグアーガム懸濁液について透過型電子顕微鏡で構造を観察したところ、約3nm幅の長繊維と不定形の粒子状のものから成ることを確認した。タケのナノセルロースでゲル状になったものについて同様にTEM観察したところ、同様に繊維と不定形のものが観察されたが、繊維長がグアーガムよりも短い。この相違がゲルのもろさと関わるものと考えられる。また、ポリスチレン製の瓶に竹ナノセルロース懸濁液を入れて300-500rpmで回転させることでセルロースの配向化を図った。えられてフィルムを偏光顕微鏡で観察したところ、部分的に配向したことが確認された。部分的な配向が生じた理由を明らかにする必要がある。タケナノセルロースがゲル化するに当たりヘミセルロースの存在が重要であることを昨年度報告したが、1本のタケナノセルロースについて、ヘミセルラーゼの一種のキシラナーゼを添加した時の表面形状の変化を高速原子間力顕微鏡で観察したところ、キシラナーゼによって表面が分解されていく状況が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
寒天との多糖類との複合化を行い、膜を作製して強度を測定したところ、薄くてもセロハン程度の強度を有する膜が形成されるなど、順調に展開することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに多糖類の種類を変えて複合化材料を増やす。また、26年度に行った寒天との複合化について、微細構造の物理的性質を明らかにする。
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