2015 Fiscal Year Annual Research Report
酵素処理と機械的処理による高アスペクト比のタケミクロフィブリルの単離とその応用
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25450251
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
林 徳子 国立研究開発法人 森林総合研究所, きのこ・微生物研究領域, 主任研究員 (20353815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 知子 国立研究開発法人 森林総合研究所, きのこ・微生物研究領域, 主任研究員 (60353728)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | セルロースナノファイバー / セルラーゼ / ゲル / 破断強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルカリ処理して得られたタケパルプをエンドグルカナーゼと超音波処理することによりミクロフィブリル化を行った。同タケパルプを食品用セルラーゼ(アスペルギルス菌由来)とビーズミル処理することによりエンドグルカナーゼ処理したものよりもほぐれ方の少ないミクロフィブリル化したもので、より食用の微小繊維状セルロースに近いものを用いて、他の多糖類とのゲルを作製した。寒天、コーンスターチ、コンニャクマンナン、キサンタンガム、ゼラチンについてそれぞれミクロフィブリル化したタケ(タケCNF)を0%、0.5%、1%混合して1.5%懸濁液を作製し、ゲル化するかどうかを確認した。キャスト法によるフィルム化も確認した。 形成されたゲルについて破断強度、付着性等を調べた。コーンスターチについては、0%では付着性が高く、破断強度が0.04Nと低いが、0.5%、1%とタケCNFを加えるに従い、0.06N, 0.15Nと破断強度は増加し、付着しなくなった。寒天にタケCNFを加えた場合は、破断強度の変化はあまりないが、CNFが入った方が脆くなることが確認された。マンナンについてはCNFの混合が難しく、今回は良好なゲルが得られなかった。キサンタンガムでは元の粘性が高いため、得られたゲルも成形性は良くなかった。ゼラチンの場合、0.5%CNFを入れると破断強度は減少した。すべての混合ゲルについて、良好なフイルムを得た。食品用セルラーゼ処理のCNFを混入したものは若干白く濁ったように観察され、EG処理によりよくほぐしたものは透明であった。 ゲルについては、破断強度や付着性の結果をさらに精査して、CNFを入れることにより付着性が減少することから高齢者向けの食素材としての可能性を追求したいと考えている。
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