2013 Fiscal Year Research-status Report
木質複合材料実大材のクリープ破壊に及ぼす水分の影響の解明と予測
Project/Area Number |
25450254
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
中島 史郎 独立行政法人建築研究所, その他部局等, 上席研究員 (00344010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 貴文 国土技術政策総合研究所, その他部局等, 主任研究官 (60414968)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | クリープ破壊 / 湿度変動下 / 木質複合材料 / 曲げ強度 / 構造用単板積層材 / 水分分布 |
Research Abstract |
構造用単板積層材(寸法105×105×2200mm、日本農林規格に定めるB種、単板60E相当)110体について弾性係数を縦振動法により測定した。弾性係数の平均値は7.54(kN/mm2)、標準偏差0.26(kN/mm2)、変動係数3.4%であった。110体の試験体を弾性係数の平均値が同じになるように2つのグループ(グループA:曲げ試験用50体、グループB:長期継続荷重載荷試験用60体)にグループ分けた。 グループAの試験体50体について曲げ試験を行い、曲げ強度と最大曲げ耐力を求めた。曲げ試験は長期継続荷重載荷試験と同じ条件のスパン2100mm、3等分点4点加力とした。試験の結果、曲げ強度の平均値:26.23(N/mm2)、標準偏差:2.67(N/mm2)、変動係数:10.2(%)であることを確認した。また、最大曲げ耐力の平均値が14.5(kN)であることを確認し、長期継続荷重載荷試験時に載荷する荷重を荷重比90%時:13.0(kN)、80%時:11.6(kN)、70%時:10.1(kN)とすることとした。 長期継続荷重載荷試験を行うためのクリープ破壊試験装置を設計・作成し、温湿度が管理できる恒温恒湿装置2室に1台ずつ設置した。グループBの試験体60体を恒温恒湿装置内に養生し、長期継続荷重載荷試験に供するための調湿を行い、一部の試験体について試験を開始した。 温湿度が変化する環境下に置かれた木材等の断面方向の水分分布の変動に関する既往の文献を、国内外の学術誌(木材学会誌、Wood Scienceなど)から収集した。また、木材の水分変動(湿度変動下における含水率の断面分布の変動)を測定するための試験体を作成した。作成した試験体を上記の恒温恒湿装置内にて調湿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では標準状態及び湿度変動下における長期継続荷重載荷試験を平成25年8月頃より開始する予定であったが、クリープ破壊試験装置、及び、試験体(構造用単板積層材)の作製に予定以上に時間を要したため、平成26年3月から長期継続荷重載荷試験を一部開始している。また、試験体(構造用単板積層材)の作製に予定以上に時間を要したことにより、当初平成25年10月に計画していた湿度変動下における含水率の断面分布の変動を測定するための試験を平成26年4月以降に実施することとした。さらに、実大の製材(スギ材)を対象とする長期継続荷重載荷試験と湿度変動下における含水率の断面分布の変動を測定するための試験については、平成26年度後半に実施することとし、当初平成25年度に購入予定であった試験体を平成26年度に購入することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
構造用単板積層材の長期継続荷重載荷試験を継続して行う。また、平成26年10月から製材(スギ材)の長期継続荷重載荷試験を開始する。さらに、湿度変動下における含水率の断面分布変動を測定するための試験を行うために現在調湿中の構造用単板積層材について、平成26年7月に同試験を実施する。一方、製材(スギ材)については同試験を平成26年11月に実施する。上記スケジュールにより実験を進めることにより、平成26年度末までにモデル化の検証に必要なデータを整備する。 粘弾性モデルを用いたモデル化については、平成26年4月より検討を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実大の製材(スギ材)を対象とする長期継続荷重載荷試験と湿度変動下における含水率の断面分布の変動を測定するための試験については、平成26年度後半に実施することとし、当初平成25年度に購入予定であった試験体を平成26年度に購入することとしたため。 実大の製材(スギ材)を対象とする長期継続荷重載荷試験と湿度変動下における含水率の断面分布の変動を測定するための試験体を平成26年8月に購入する予定であり、同用途に使用する。
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