2014 Fiscal Year Research-status Report
嫌気環境の微生物ループ:嫌気性従属栄養性鞭毛虫の生理・生態
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25450261
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
近藤 竜二 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 教授 (30244528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 伸一 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (50270723)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 鞭毛虫 / 嫌気 / 細菌捕食 / 密度成層湖 |
Outline of Annual Research Achievements |
部分循環湖である水月湖から分離した嫌気性の鞭毛虫の微細構造を、電子顕微鏡を用いて詳細に観察したところ、鞭毛小毛、ミトコンドリアクリステ、鞭毛装置の基本構造がPlacididea綱と共通していることが明らかとなった。一方で、paranuclear bodyの有無や、鞭毛装置の微小管の本数など、LSccTR-1株の微細構造は近縁種のWobblia lunataとPlacidia cafeteriopsisとは異なっていた。これらの結果から、LSccTR-1株は新属新種であるのが妥当であると考えられる。 昨年度に確立した単一の細菌株との二者培養系を用いて、増殖速度と細菌捕食速度の速度論的解析を行った。その結果、増殖速度に関しては、好気条件よりも嫌気条件の最大比増殖速度は低かった。また、嫌気条件における最大細菌捕食速度は好気条件よりも低かった。 分離した鞭毛虫の18S rDNA塩基配列情報から、ARBソフトウェアを用いてFluorescence in situ hybridization(FISH)法で用いる遺伝子プローブを設計・作成した。なお、プローブはPlacididea綱の鞭毛虫に特異的なものとして作成した。様々な湖にこのプローブを適用したところ、Placididea鞭毛虫は、水温躍層が発達する深い湖に生息していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分離した鞭毛虫株の18S rDNAの塩基配列を用いた系統解析を行った結果、これまでに2種しか認められていないPlacididea綱に属することが明らかとなった。この系統解析に加えて、細胞内の微細構造を詳細に調べ、分離した鞭毛虫が新種である可能性を示した。 また、当初予定していた遺伝子プローブの設計を行い、Placididea綱に特異的なプローブの作成に成功した。さらに、実際にこの遺伝子プローブを現場に応用することも可能であることが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子プローブの開発に成功したので、これを用いて、密度成層湖における嫌気性鞭毛虫の分布を明らかにする予定である。 さらに、平成26年度までに分離した鞭毛虫株の分類学的位置を明らかにしたうえで、新種登録の手続きを行う。 一方、鞭毛虫株の酵素活性については、共存する細菌との区別が困難で、実験手法を新たに開発する必要性があることが問題点として浮かび上がってきた。
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Causes of Carryover |
酵素活性を測定するための方法に問題が生じたため、次年度に実験を繰り越した。また、平成26年度に引き続き、遺伝子プローブを用いた鞭毛虫の分布を調査する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
酵素活性の測定と設計したプローブ作成に充てる。
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Research Products
(4 results)