2015 Fiscal Year Annual Research Report
魚類ノダウイルスの感染増殖における宿主の熱ショックタンパク質の役割解明
Project/Area Number |
25450274
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
冲中 泰 広島大学, 生物圏科学研究科, 准教授 (80363034)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 熱ショックタンパク質 / protein B2 / 相互作用 / タンパク質合成レベルの相関性 |
Outline of Annual Research Achievements |
<Hspアイソフォームの発現レベルとウイルスタンパク質合成レベルの相関性の検討> 昨年度までの研究成果として、ベータノダウイルスタンパク質のうちprotein B2はHsp70-1、Hsp70-2、Hsp70-5それぞれと相互作用を示した。その中でもHsp70-5との相互作用が最も強かった。そこでprotein B2と相互作用を示すことが判明したHsp70-1、Hsp70-2、Hsp70-5を培養細胞内で過剰発現または発現抑制し、それがprotein B2の合成レベルと相関するかを検討した。 方法は、まず発現ベクターまたはsiRNAを用いて、OLHNI-2培養細胞内でHsp70-1、Hsp70-2、Hsp70-5遺伝子それぞれの過剰発現処理および発現抑制処理を行なった。次に、これら細胞にpCI-neoにクローニングしたprotein B2遺伝子を導入し、発現を促した。その後、細胞の総タンパク質を回収し、ウェスタンブロッティング解析により、protein B2の増減レベルを調べた。 Hsp70-1、Hsp70-2、Hsp70-5遺伝子それぞれの過剰発現処理および発現抑制処理の効果はリアルタイムPCRによりモニターすることができた。protein B2はHisタグ、GSTタグまたはHAタグとの融合タンパク質として発現させ、それぞれのタグの抗体を用いたウェスタンブロッティング解析を行ったが、いずれのタグを用いた場合でもHsp70-1、Hsp70-2またはHsp70-5遺伝子の発現レベルとの明確な相関は得られなかった。その主な原因は、用いたタグの検出感度が低く、実験結果に再現性が取れなかったことにある。今後はより検出感度の高いタグをprotein B2のラベリングに使用し、同様の実験を行う必要がある。
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