2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25450308
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
篠村 知子 帝京大学, 理工学部, 教授 (80579235)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 微細藻類 / ユーグレナ / カロテノイド / 光ストレス / 細胞増殖 / 電子顕微鏡 / RNAi |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において見出した、ユーグレナESTに検出されたカロテノイド合成経路の初期反応を触媒する酵素遺伝子群(ゲラニルゲラニルピロリン酸(GGPP)合成酵素(CrtE)、フィトエン合成酵素 (CrtB)、フィトエン不飽和化酵素 (CrtP)、ζ-カロテン不飽和化酵素 (CrtQなど)のオルソログ遺伝子のうち、今年度は特にユーグレナのCrtB遺伝子(EgcrtB)をRNAiにより発現抑制し、ユーグレナにおけるカロテノイドの機能解析を行った。EgcrtBのdsRNAを導入した細胞におけるEgcrtBの発現量は、培養3日後には対照実験区と比べて著しく減少し、培養7日後でも発現量の減少は持続した。EgcrtBの発現を抑制すると、総カロテノイド含量は対照区の10%に減少し、主要なカロテノイドであるジアジノキサンチンに対するジアトキサンチン比が増加し、1細胞当たりのChl a量、Chl b量およびChl a/b比いずれも有意な減少を示した。これらの細胞は培養3日後以降に細胞増殖が抑制され、細胞が白色化した。透過型電子顕微鏡観察の結果、これらの細胞では葉緑体の数が著しく減少して細胞内にパラミロン顆粒が蓄積した。カロテノイド合成系の、EgcrtBより下流のフィトエン不飽和化酵素遺伝子(EgcrtP1、P2)およびζ-カロテン不飽和化酵素遺伝子(EgcrtQ)の発現を抑制した場合も、EgcrtB発現抑制と同様の表現型を示すことも明らかにした。 以上の結果から、カロテノイド合成系遺伝子の発現を抑制した細胞では、通常は良好な増殖が見られる光条件(光強度55 micro mol m-2 s-1連続白色光照射)でも光ストレスを受けたような表現型を示すことが明らかになり、ユーグレナ培養におけるカロテノイドの光ストレス緩和機能の重要性が明らかになった。
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Remarks |
上記URLにて、植物分子細胞学研究室(PI:篠村知子)からの学会発表を紹介している。
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Research Products
(9 results)