2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25450313
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Fisheries University |
Principal Investigator |
前田 俊道 独立行政法人水産大学校, その他部局等, 教授 (20399653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 英登 独立行政法人水産大学校, その他部局等, 准教授 (60466307)
谷口 成紀 独立行政法人水産大学校, その他部局等, 助教 (10549942)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 鮮度保持 / 電気刺激 / 魚肉品質 |
Research Abstract |
1)マアジにおける印加電圧・時間と麻酔率・ヘイ死率の関係の解明 大学内の施設で飼育したマアジ(体重:155.8 ± 20.7 g、体長:21.6 ± 0.9 cm、平均 ± 標準偏差)に、様々な電圧で10秒間の10 mS間隔のパルスによる電気刺激を施した結果、電圧200 V 以下では、通電中は麻酔効果があるものの、通電終了後即座に遊泳を開始した。200~350 V では、印加電圧が高くなればなるほど、通電終了後の遊泳開始までの時間は長くなり、350 V では12秒間であった。へい死率は350 V までいずれの電圧においても0%であったが、背骨の骨折率は印加電圧が高くなるに従って増加し、300 V 以上で100%であった。一方200 V 以下では骨折率は0%であった。 2)電気で麻酔・ヘイ死したマアジ筋肉の生化学的変化の解明 通電によるマアジ筋肉の生化学的変化を解明するために、350 V で10秒間の通電で電気麻酔したマアジを延髄刺殺した試験区と、電気麻酔せずに延髄刺殺した試験区、海水氷中での冷却死区、ならびに非処理(自然死)区を設け、下氷保蔵後の生化学的変化を比較した結果、筋肉のATP含量、クレアチンリン酸含量、pHは、電気麻酔区、延髄刺殺区、冷却死区、非処理区の順に高く推移した。一方、硬直指数は、この順で低く推移した。これらの結果から、電気刺激による鎮静化したマアジの保蔵中の肉質は他の方法で処理したものよりも良いことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)マアジにおける印加電圧・時間と麻酔率・ヘイ死率の関係の解明 印加電圧と麻酔率、へい死率との関係が解明されたことから、概ね当初の計画通り進捗していると判断される。しかしながら、印加時間については、追加実験が必要と考えられる。 2)電気で麻酔・ヘイ死したマアジ筋肉の生化学的変化の解明 電気で麻酔したマアジ筋肉のATP含量、クレアチンリン酸含量、pHは、延髄刺殺区、冷却死区、非処理区よりも高く、硬直遅延効果があることが解明されたことから、概ね当初の計画通り進捗していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
1)様々な体長のマダイにおける印加電圧・時間と麻酔率・へい死率の関係の解明 通電条件は魚の大きさによって異なることが予測されるため、様々な体長の魚について調べる必要がある。当初の計画では、平成26年はマアジについて、平成27年はマダイについて、印加電圧・時間と麻酔率・へい死率の関係を解明する予定であったが、様々な体長のマアジの入手・飼育に時間を要することが判明したため、先にマダイについて行うことに変更する。すなわち、平成26年度は、マダイについて平成25年度と同様の実験手法にて、印加電圧・時間と麻酔率・へい死率の関係を解明する。つまり、様々な電圧(0~400 V)と印加時間(数秒間)で通電を行い、魚の状態観察を行い、麻酔率とへい死率を求める。 2)マアジにおける印加時間と麻酔率・ヘイ死率の関係の解明 平成25年度は、不漁等の理由により一定サイズのマアジを充分数確保することが出来なかったため、印加時間と麻酔率・ヘイ死率の関係についての追加実験が必要となったため、平成26年度に、マアジを用いて本実験を行うこととする。 なお、倫理上の観点から、本計画が適性か否かにつき、「独立行政法人水産大学校動物実験委員会」に照会することとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試験魚のマアジについて、不漁等の理由により一定サイズの魚を当初の予定尾数を確保することが出来なかったため。 平成26年度に行う印加時間と麻酔率・ヘイ死率の関係についての追加実験に必要な試料魚や消耗品等に充てる予定。
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