2015 Fiscal Year Research-status Report
国際フードシステムのダイナミズムに関する実証分析-日本と中国を対象として-
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25450319
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木南 莉莉 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40272132)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際フードシステム / 農地・水・環境対策 / 新潟 / 上海 / 食料クラスター |
Outline of Annual Research Achievements |
課題1「地域フードシステムの発展段階に関する評価」に関して、日本の新潟県と中国の上海市を主要な研究対象地域として、いずれも地域フードシステムを構成する諸主体に対する実態調査分析を行った。新潟県においては、農地・水・環境対策をめぐる農家、住民、行政の活動実態とその評価から、地域フードシステムの経済性、社会性、環境保全の相互関係を明らかにし、地域ごとの持続可能性の規定要因と課題を明示した。また、新規就農者の中で増加傾向にある農業法人における雇用就農の実態調査を行い、人的資源管理の側面から農業部門の持続可能性の課題を明らかにした。上海市においては、乳業産業を対象として、地域の主要な乳業グループである光明乳業を事例として、生乳生産、育種、研究・開発、技術普及、製造、販売、流通、小売の地域フードシステムの諸段階ごとの実態調査分析を行った。経済発展に伴う消費の量的・質的水準の上昇、さらには食品安全性に対する要求水準への対応が、地域フードシステムの持続性の規定要因であるとともに、都市経済の発展に応じた経済性、社会性、環境保全の実現が重要であることを明らかにした。 課題2「研究の取りまとめ」に関しては、これまでの研究成果を基に、日本と中国のフードシステムの発展段階を国際フードシステムの中に位置付けるとともに、北東アジアの食料安全保障に対する食料をめぐるクラスター形成の役割と政策課題を明らかにし、日本語の単行本と英文著書を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本国内および中国における資料収集とインタビュー調査によって、フードシステムの諸段階の視点から持続可能性を経済性、社会性、環境保全の側面から評価するとともに、クラスターを形成、機能させる主体および主体間関係の実態を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果の内容をさらに深化させ、関係学会において研究発表するとともに学術誌論文として発表する。
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Causes of Carryover |
研究の取りまとめを行った段階で、研究成果をより広範囲に発信する意義が大きいと判断し、関係学会での発表を検討したが、年度内に発表する適当な機会が得られなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年6月に関係学会で学会発表を行い、学会誌論文として発表する。
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Research Products
(14 results)