2013 Fiscal Year Research-status Report
広域合併農協内に「小さな農協」を創るための条件分析-支店拠点化を軸に-
Project/Area Number |
25450330
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
田代 洋一 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (00092651)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 農業協同組合 / 広域合併 / 枝番集落営農 / 集落営農法人 / 直売所 / 森林組合 / 生産調整 |
Research Abstract |
平成25年度は東日本大震災被災地の宮城県、福島県の現地および農協に対するヒアリング調査、長野県下伊那地域の現地および農協に対するヒアリング調査、その他、岩手県、秋田県の農業生産法人、農協に対するヒアリング調査を実施した。 その結果、1.被災地の福島県においては、被災地域の農協の経営悪化から県内4農協への合併が推進されており、いくつかの郡・市にまたがる広域合併が農協と地域の連携に亀裂を生じる可能性も懸念され、本研究が掲げる広域合併農協内に小さな農協を創る課題が切実に意識されるとともに、模索を開始した状況が確認された。 2.被災地では農協や行政の指導の下、従来の生産調整のための組織が農事組合法人に再組織され、地域農業の新たな担い手として育成されつつある状況が確認された。 3.岩手県等では日本最大の集落営農法人が組織され、その実態は協業を伴わない「枝番集落営農」といえるが、精査すると、そこではまさに「小さな農協」の構築が課題とされていることが判明した。 4.下伊那地域では、森林組合や直売所のヒアリングを実施し、農協とは異なる協同組合の活動状況を知るとともに、地域住民により自発的に組織された直売所組織が「小さな農協」としての役割を自覚的に担っていることが確認された。また農協は必要に応じてサポートシステムを組んでいることが分かった。 以上のヒアリング調査を通じて、実質的な農協機能が多様な形態において追求されていることが認識された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、広域合併農協内に小さな農協を創る条件について、広範な地域を対象に数多くの事例に則して調査研究できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,引き続き、これまでの東日本大震災被災地農協、中山間の下伊那地域の農協等について追跡調査を行い、これまでの知見の修正・充実を図ることに重点を置きたい。 また機会があれば韓国の農協を訪問し、農協と地域農業の関わりのあり方について日本と比較研究したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費で使用しましたので、端数が生じました。 消耗品の物品に使用します。
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