2013 Fiscal Year Research-status Report
EU諸国のバイオマスエネルギー利用拡大に関する実証的研究
Project/Area Number |
25450336
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
市田 知子 明治大学, 農学部, 教授 (00356304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 圭一 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20356322)
西澤 栄一郎 法政大学, 経済学部, 教授 (30328900)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオマス / バイオガスプラント / 家畜糞尿 / 中山間地域 / 固定価格買取制度 / 地域社会 / フランス |
Research Abstract |
バイオマス利用拡大の調査を進める上で必要となる日本国内の現状を把握するため、2014年3月18~19日、北海道十勝地方の調査を行った。同地方は2013年度に農林水産省の「バイオマス産業都市」に認定された。バイオガス発電普及の背景には、酪農の規模拡大による家畜排泄物の処理の問題、畑地への糞尿散布による周辺住民からの苦情がある。さらに2011年の東日本大震災と原発事故を契機に、電力の地域内自給の機運が高まった。2012年7月からは国の固定価格買取制度を利用し、大きな売電収入を得ている。ただし、送電量の枠を巡って大企業のメガソーラーとの取り合いになっている。鹿追町環境保全センターは酪農家12軒による集中型、士幌町は個別型の管理運営方式をとっており、いずれも酪農家の家畜糞尿処理労働の負担が軽減され、売電による大幅収入増が見込まれている。また、同年3月10~15日には、フランスにおけるバイオマスエネルギー利用拡大の実態と技術普及体制について、農業食料漁業省、全国農業会議所をはじめとした関係機関、農業者に対する継続教育を行うCFPPA(職業教育・農業技術向上センター)において、ヒアリングを実施した。フランスでは、2012年12月、社会党政権となって就任したルフォル農相は「アグロエコロジー構想」を打ち出した。ここは、「窒素自給・メタンエネルギー計画」が、有機農業の推進、農薬使用の半減、抗生物質の使用抑制などとならび、持続的農業の推進の重要政策として位置づけられた。作物生産における窒素投入の削減や窒素肥料の自給の促進、家畜飼養における糞尿の有効利用、とりわけ、農場内のメタン発酵施設の普及が主要政策課題として挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者および研究分担者が執筆分担した『復興から地域循環型社会の構築へ』(2013年7月刊行)をはじめ、バイオマスエネルギー利用に関連した成果を着実に発表している。当初、ドイツ、デンマークでの調査を予定していたが、先方の都合により、実施を26年度に延期することにした。しかしながら、日本国内の先進事例、およびフランスの現地調査を行うことによって次年度の調査の焦点がより明確になった。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度はドイツおよびデンマークの現地調査を2014年9月に行う。ドイツでは北部のニーダーザクセン州および南部のバーデン・ヴユルテンベルク州を調査対象とする。ホーエンハイム大学農学部および連邦政府の農村・森林・漁業研究所(J. H. von Thuenen研究所)の協力を得ながら、バイオマスエネルギー利用拡大の実態と問題点について、聴き取りと資料収集を行う。また両州の食料・農林省および環境省において、州政府独自の対応策について聴き取りと資料収集を行う。デンマークでは、農業省、環境省をはじめ、デンマークバイオガス協会(Danish Biogas Association)、農業技術および食品開発研究所(Institute for Agri Technology and Food Innovation)等の関連機関を訪ね、同国におけるバイオマスエネルギー利用拡大の実態と問題点について、聴き取りと資料収集を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、ドイツ、デンマークでの調査を予定していたが、先方の都合により、実施を26年度に延期することにした。 ドイツでは北部のニーダーザクセン州および南部のバーデン・ヴユルテンベルク州を調査対象とする。ホーエンハイム大学農学部および連邦政府の農村・森林・漁業研究所(J. H. von Thuenen研究所)の協力を得ながら、バイオマスエネルギー利用拡大の実態と問題点について、聴き取りと資料収集を行う。また両州の食料・農林省および環境省において、州政府独自の対応策について聴き取りと資料収集を行う。デンマークでは、農業省、環境省をはじめ、デンマークバイオガス協会(Danish Biogas Association)、農業技術および食品開発研究所(Institute for Agri Technology and Food Innovation)等の関連機関を訪ね、同国におけるバイオマスエネルギー利用拡大の実態と問題点について、聴き取りと資料収集を行う。
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Research Products
(12 results)