2014 Fiscal Year Research-status Report
EU諸国のバイオマスエネルギー利用拡大に関する実証的研究
Project/Area Number |
25450336
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
市田 知子 明治大学, 農学部, 教授 (00356304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 圭一 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20356322)
西澤 栄一郎 法政大学, 経済学部, 教授 (30328900)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ドイツ / デンマーク / バイオガスプラント / 農政改革 / 飼料用トウモロコシ / 食品残渣 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年8月27日~9月5日に、ドイツ、デンマークにおいてバイオマスプラントの調査を行った。ドイツでは、連邦農業省農村研究所にて、再生可能エネルギー政策の専門家であるホルスト・ゲーマン博士およびトマス・ド・ヴィッテ博士より、EUおよびドイツの再生可能エネルギー政策とその問題点について聴取した。また、ブラウンシュヴァイク市の都市ガス会社であるBSエネルギーにて、再生可能エネルギー開発(下水処理後の汚泥、穀物の発酵)およびバイオガス車普及、充電所の設置などについて聴取した。その後、ドイツ北部のオランダとの国境付近に位置するヴェルテ市を訪ね、同市およびその周辺にて、バイオマスからメタンガスを生成させ、発電を行う農家および企業を5ヶ所訪問調査した。ドイツでは飼料用トウモロコシを主原料とすることによる様々な弊害から家畜糞尿、食肉処理場の廃棄物、テンサイなど、他の有機物に転換しつつある。ある農家では1990年代に2基の風車を導入、畑作420ha、養豚、養鶏に加え、2006年からは1MW規模のバイオマス発電を手掛けている。一方、デンマークでは農業研究機関アグロテックのグレガーセン博士の案内によりバイオガスプラントを3ヶ所訪問調査した。1986年に設立されたプラントでは、付近の乳牛経営の糞尿に加え、10kmほど離れた酪農会社の食品残渣を利用して発電および熱供給を行っている。テンサイ、麦わら、商品化されないニンジンなども使う計画である。デンマークでは飼料用トウモロコシに偏することなく、家畜糞尿、食品残渣、食肉処理場の廃棄物など、多様な原料が利用されている。またバイオマス発電会社Nature Energyでは、デンマークにおけるバイオマス発電の現状、バイオガス車の普及、スタンドの設置状況を聴取した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドイツ、デンマークにおいて、バイオマスエネルギーに関する現状、最新の情報、専門家の知見を聴取することができた。25年度に現地調査を行ったフランス、日本の実態と合わせ、比較検討するための素材を集めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は、これまでに行った現地調査のまとめ、とくに日本と欧州、さらに欧州三カ国(ドイツ、デンマーク、フランス)の間の比較分析を行う。分析の結果を、日本農業経済学会等、学会で報告を行い、学会誌に投稿する予定である。
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Research Products
(13 results)