2014 Fiscal Year Research-status Report
OSSを活用した再現可能な実証分析による表明選好研究の基盤構築
Project/Area Number |
25450341
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
合崎 英男 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00343765)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 農業経済学 / 表明選好法 / オープン・ソース・ソフトウエア |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)改良・開発を進めているパッケージの利用者層に最も近いと考えられる学生と教員を対象としたゼミ等を4大学で開催し、パッケージに対する要望や表明選好法を理解する上での問題点の把握等に努めた。初心者が手法の手順を理解しながら、パッケージの使い方も習得するためには、例題の設定に注意が必要であること、特に利用者の研究上の関心や日常生活から推測しやすい例とすることの重要性を確認できた。また、選択実験で設定した質的属性を分析で用いる変数に変換するステップの理解が難しい場合、分析結果の解釈にも支障が出やすいことが示唆された。 (2)パッケージの利便性を向上させるため、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)の検討を行った。RでGUIを使うためにはいくつかのアプローチがあるが、GUIを実現するためにRの運用・管理が困難になることは避けるべきと判断し、Tcl/Tkを利用したGUIの設計を進めた。 (3)選択肢集合を設計するためのR関数について、従来のバージョンでは対応できていなかった設計条件に対応するための改良を進めた。ただし、ほかのR関数と連携するために必要な改良が未了であるため、パッケージへの実装は行わなかった。 (4)日本語版の利用マニュアルの整備を進めた。これまでに開発した表明選好法用Rパッケージの利用マニュアルは英語で作成していたため、表明選好法とRの両方に初めて取り組む日本の利用者にとっては、必ずしも使いやすい状況ではなかった。ゼミ等でも日本語版マニュアルが要望されていたこともあり、選択実験向けパッケージの基本的な使い方をまとめた資料の作成を進めた。本資料は、平成27年度前半には公開できる予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゼミ等の開催に加えて、国内外からのパッケージに関する問い合わせへの対応を通じて、Rで表明選好法を実践する上での問題点やパッケージへの要望を把握することができた。また、これらの問題点や要望を踏まえて、パッケージの改良を進めることができた。さらに、GUIの設計や、利用者からの要望を踏まえた日本語版の利用マニュアルの整備を進めることができた。他方、初年度に実施したWeb調査については、当初の予定では2年目には論文公開まで進めることを計画していたが、そこまで達することができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)ゼミ等の開催や利用者からの問い合わせへの対応等を通じて、パッケージへの要望等の把握を進める。 (2)例題データの拡充を図るため、Web調査を実施する。 (3)改良版のパッケージを公開する。 (4)本研究の推進および成果の普及をより効率化するため、本研究と類似した課題に取り組んでいる海外の研究者と連携する。
|
Causes of Carryover |
未使用額430,760円は、他大学等で開催するゼミに要する費用(旅費)の節約と論文公開の遅れによって生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
以上の未使用額は、論文公開、Web調査、および海外の研究者との連携に使用する。
|