2014 Fiscal Year Research-status Report
北海道農村におけるへき地医療の現局面と生活支援策の解明-栄養士活動を軸に-
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25450347
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
佐藤 信 北海学園大学, 経済学部, 教授 (60269173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 のぞみ 名寄市立大学, 保健福祉学部, 准教授 (80289678)
岡部 哲子 天使大学, 看護栄養学部, 講師 (60320561)
宮入 隆 北海学園大学, 経済学部, 准教授 (40422018)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 北海道 / へき地 / 栄養士 / 農村社会 / セントラルキッチン / 佐久総合病院 / 厚生連 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、地域医療に関わる現地調査を中心として、農山村におけるへき地医療の諸実態と課題の把握に努めた。 第一の調査先は、JA北海道厚生連である(2014年12月実施)。広域の北海道では地域医療の主体は自治体であるが非営利組織である農協や赤十字などによる病院運営も行われている。調査ではJA北海道厚生連に赴き、主に病院経営の概要、給食事業と栄養指導の実態、栄養士の委託化状況等について、ヒアリングを行った。 第二の調査先は、長野県佐久総合病院である(2015年3月実施)。佐久総合病院は地域医療の最先端を歩んできたと共に、自治体合併後はより広域の地域医療を実現するための「再構築」(医療センターの新設、セントラルキッチンの設置)をすすめている。調査では、病院の事業概要とともに、セントラルキッチン化による病院給食の変化をインタビューした。さらに病院給食の視察を行い、現地の栄養士と意見交換を行った。 以上の実態調査を通して概ね以下の点が明らかになった。第一に、北海道厚生連による厚生病院は北海道における農村医療の嚆矢であるとともに、現在にあっては人口減少・高齢化の農山村に不可欠の存在となっている。第二に、診療報酬基準の改定、北海道農村部の人口減少は、厚生病院の経営への影響が大きい。第三に、佐久総合病院においては、救急・急性期医療に特化した佐久医療センター開院(2014年3月)とほぼ同時に「セントラルキッチンさく」がスタートし、給食提供においてより効率化・合理化をすすめている。これは「病院を核としたまちづくり」という歴史的経緯があるからこそ実現できたことと考えられる。第四に、現行のセントラルキッチン方式は、各病院・施設等での最終調理工程が残されているなど、いくつかの課題が指摘できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度中に、北海道内厚生連調査や長野県佐久総合病院調査が終了したこと、アンケート分析も順調にすすめ、論文として発表できたことなどが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、研究の総まとめを行うとともに、可能であれば北海道内のへき地医療の実態調査を行いたい。
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Causes of Carryover |
研究遂行にあたって、本年度の計画がほぼ終了したが、一部研究分担者にあって、旅費算定が未確定のまま年度末を迎えたため、残高が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該研究分担者の翌年度の物品費・旅費の一部として使用する計画である。
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Research Products
(7 results)