2015 Fiscal Year Research-status Report
農業分野における障害者雇用によるソーシャルビジネスの確立と農村振興に関する研究
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25450348
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
杉原 たまえ 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (20277239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 純明 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (40117479)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 農業と障害 / 農業の多様な担い手 / 社会的排除と包摂 / 多重障害 / 社会復帰 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、最終年度に当たりこれまでの事例調査の論点整理と補足調査および課題整理をおこなった。従来の三障害分類(身体・精神・知的)に限定せず、「社会的困難を抱える人々」と広く捉えなおし、ホームレス就労問題や犯罪者の社会復帰に加え、激甚災害被害者や公害被害者の社会復帰やハンセン病回復者の社会的包摂に関する調査・研究をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題に関して先進的な取り組みをおこなっている国外事例の調査を実施する予定であったが、準備作業ならびに現地との調整に時間を要し実施できなかった。この予算は繰り越しを申請し、次年度に実施したい。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、農業分野での障害者雇用に関する理論的・実証的研究を進めてきたが、その過程で、身体・知的・精神の3障害のうち、精神障害者の就労が最も困難を抱えていることが明らかとなった。また精神障害の発生には社会的要因が大きく関与しているため、精神障害者の「社会包摂」には、他の障害者に対する場合とは異なる配慮や制度を提供することが求められることも明らかとなった。今後は、世界的に大きく立ち遅れているわが国精神障害者の地域社会包摂のあり方を批判的に吟味し、農業分野での就労を通じた精神障害者の地域包摂型就労プログラムおよび地域包摂型生活モデルを構築したい。また、これまでの研究成果のとりまとめを公刊することによって、社会に還元する。
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Causes of Carryover |
申請時には予測できなかった本務校での任務遂行のため、フィールド調査が計画通りに組むことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初計画通り、海外の先進事例の調査を遂行予定である。
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