2014 Fiscal Year Research-status Report
農村景観の保全・創造を目指した多面的景観評価指標の開発
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25450358
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
大野 研 三重大学, 教養教育機構, 教授 (90144229)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 景観指標 / 地域計画 / 地域評価 / 景観管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
景観は、地域のすべての環境を反映したものである。したがって、地域の発展の持続可能性を検討する上では重要なテーマになる。しかし、景観に現れるすべての側面を評価することは困難である。景観に関する研究が進んでいる欧州では、いくつかの景観指標を組み合わせて、総合的に景観を評価しようとする動きがある。 景観指標は、5つのカテゴリー-1.生態系、2.歴史・文化、3.認知、4.土地利用、5.経済-に分類されることが判明してきている。またこれらの景観指標と景観との関係性に注目すると、さらに4つに分類できる。すなわち、a.景観への負荷を表す指標、b.景観の状況を表す指標、c.景観への(あるいは景観からの)影響を表す指標、d.景観保全に対する対策の強さを表す指標である。すなわち、景観指標には5つのカテゴリーと4つの関係性を組み合わせて、全部で20種類の分類がある。 Cassatella& Peano (2011)は、上で述べた20種類に分類された景観指標の中から、11個の景観指標を選び、イタリア、ピエモンテ州の景観を適切に評価できる事を示した。そこで、このイタリアのピエモンテ州に適用された11個の景観指標の値を、現在の三重県の各市町村について計算した。この結果、この11個の景観指標を用いると各市町村の地域特性を反映した景観を適切に同定できることが判明した。 しかし、景観を持続的に管理して行くためには、各景観指標と地域特性の関係性を検証しておく必要がある。そこで、過去のデータに基づいて、過去の指標の値を計算し、各景観指標の変化が合理的に地域特性に反映されているかを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
欧州における景観指標に関する情報の収集がさらに進み、三重県の各市町村の景観指標を計算し、景観の同定を行う事ができた。また、過去のデータを収集し、ある程度景観指標の変化と地域特性の変化の因果関係を把握することができた。しかし、過去のデータが不足しているものもあり、十分に検証ができたとはいえない。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに海外景観指標情報の収集を続ける。過去のデータが不足している景観指標もあり、その景観指標を使っている限り、景観指標と地域特性との因果関係が十分に検証できない。したがって、収集した景観指標情報を基に、データが不足している景観指標の代わりになるような指標の導入を検討する。
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Research Products
(2 results)