2013 Fiscal Year Research-status Report
微生物活動による硝化・脱窒動態の把握と水質形成機構の解明
Project/Area Number |
25450365
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
中野 拓治 琉球大学, 農学部, 教授 (30595202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安元 純 琉球大学, 農学部, 助教 (70432870)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地下水 / 硝酸汚染問題 / 硝化・脱窒動態 / 硝酸同位体法 / 微生物相解析 / 水質形成機構 / 地下ダム灌漑 / 亜熱帯島嶼畑地帯 |
Research Abstract |
沖縄本島南部琉球石灰岩分布地域(調査地域)の畑地農業地帯では,地下水が灌漑用水として利用されている。本研究では,調査地域の既存調査データの整理・分析と現地観測・水質分析を通じて,窒素負荷源の特定を含めた地下水中における硝化・脱窒過程の把握を図るとともに,室内カラム試験と分子生物学的手法等の適用により,硝化・脱窒に係る生物代謝速度等の物理環境条件と物質輸送特性の検証を試みた。 地下水位と地下水水質に係る観測データについて,地下水流動場の可視化を図るとともに,硝酸性窒素濃度に係る時空間変化特性を把握した。また,硝酸性窒素は,地下水流動に伴って上流から下流に移動する過程で,農地排水や生活排水による負荷源が加わるために濃度値が上昇していることを明らかにするとともに,重回帰分析等を通じて営農活動や生活排水など地下水中の窒素成分に対する寄与率を推定した。硝酸性窒素濃度は,地下ダム築造によって形成された地下水流動場に起因する流入・混合作用と希釈・脱窒作用が硝酸性窒素の空間濃度分布に関与しており,地下ダム止水壁近傍のように地下水が滞留しやすい場所では帯水層が還元的環境条件となった結果,脱窒現象が生じていることを解明することができた。 さらに,従属栄養型脱窒細菌の同定や常温性硫黄酸化細菌と相同性の高い細菌が検出され,地下水中の窒素安定同位体比と酸素安定同位体比等から従属栄養型の脱窒現象が生じていることを確認できた。地下水中の溶存態に比較して懸濁物質が脱窒現象に関与していることを明らかにする一方,室内カラム試験等を通じて,硝化・脱窒の生物代謝速度に係る物理環境条件の検証を行った。 本研究は,琉球石灰岩分布地域地下水の硝化・脱窒メカニズムについて,現地観測や水質分析と微生物相解析を通じて定量的な評価を試みたものであり,研究成果が水質管理を含めた適切な地下水利用に活用されることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H25年度は,既存調査データの整理・分析と現地観測調査等を通じて窒素成分を含めた地下水の物質輸送現象の定量的な把握を図るとともに,硝酸化成・脱窒素過程に関与する微生物の把握と硝化・脱窒の生物代謝速度に係る物理環境条件の検証することにしており,研究計画に即した知見・成果が得られたものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として,これまでに得られた知見・成果等を踏まえ,研究計画に即して,研究分担者, 連携研究者及び研究協力者とより一層の連携を図りながら,現地観測,室内カラム試験や数値解析作業等を通じて,表層畑地土壌から下層帯水層における微生物代謝等に伴う硝化脱窒メカニズムの把握と数値モデル化に向けて取組こととしている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現地観測に必要な測定機器が年度途中で不具合が生じたため,スペヤー等を調達するとともに,室内カラム試験や水質分析作業に必要な消耗品について追加調達した。このため,当初,計画していた連携研究者等との打合せについて,全て,電話やメールでの対応にして経費を節約したうえで,効率的に研究経費を捻出し研究を遂行したために,使用額の当初計画からの変更が生じた。 経費使用計画は,以下のとおり。 物品費:1,215,344円 旅費:0円 人件費・謝金:0円 その他:284,000円
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Research Products
(8 results)