2015 Fiscal Year Annual Research Report
水質負荷量測定システムの確立と積雪地域における物質循環の解明
Project/Area Number |
25450366
|
Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
高瀬 恵次 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (90133165)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 晃 石川県農林総合研究センター(林業試験場), その他部局等, 研究員 (50522611) [Withdrawn]
瀧本 裕士 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (60271467)
早瀬 吉雄 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (70027275) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 負荷量(水質) / 濃度(水質) / 全窒素 / 全リン / 森林理水試験地 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、従来、多くの労力と費用を必要としていた水質流出負荷量をより正確に簡便に計測するためのシステム構築と、森林地を対象に窒素・リンの長期にわたる負荷量の計測とその特性の解析を目的とした。そして、流量に比例した水量をタンクに貯水し自動採水システムを作成し、これを石川県林業試験場理水試験地に設置した。その後、タンクに貯水した水を随時研究室に持ち帰り、全窒素、全リンについて濃度分析を行った。この時、それぞれの期間中の流出負荷量(L)は、期間総流量(Q)とそれに対応するタンクの水質濃度(C)の積で求められることになる。 まず、出水時において従来の定量採水方式と濃度分析(1時間ごと)による流出負荷量算定値と、本システムによる算定値を比較した結果、両者は15%差の範囲で一致し本システムの有効性が示された。 次に、対象とした森林理水試験地からの年負荷量を求めた。一部の期間については雷による停電や計測システムのトラブルによる欠測も生じたが、流量を流出モデルによって推定した後、L-Q式を用いて欠測期間の流出負荷量を補完した。その結果、全窒素、全リンの年負荷量はそれぞれ、5.08、0.37 kg/haとなった。これらを環境省マニュアルに記載された値と比べると全窒素、全リンでとも範囲内であった。また、同流域で窒素収支を調査・研究している別の研究者の報告値もほぼ一致することが分かった。これらの結果を総合すると、調査対象とした理水試験地では窒素飽和とされている流域に比べ、窒素の負荷量は小さく降水等によってもたらされる多くの窒素が林内に蓄積(あるいは消費)されていると予測された。
|
Research Products
(5 results)