2013 Fiscal Year Research-status Report
静電場を利用した自動昆虫識別装置‘インセクトレック’の開発
Project/Area Number |
25450375
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
松田 克礼 近畿大学, 農学部, 教授 (30268453)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 静電場 / 静電気 / 昆虫 / 虫害防除 / 害虫モニター |
Research Abstract |
本研究の目的は、それぞれの昆虫に保存されている特異的な電荷量を利用し、静電場を利用した昆虫モニタリングシステム‘インセクトレック’を構築することである。本年度は、効率的に昆虫を識別できる装置の開発を目的として、昆虫からのマイナス電子を効率的に検出する電極の配置方法を調査した。 1.電極の配置間隔について検討:昆虫を効率的に識別するための絶縁被覆材質と電極間隔を調査した。その結果、体の大きな昆虫を識別するためには、大きな電極間距離が必要であり、逆に、ちいさな昆虫には小さな距離が有効であることが明らかになった。これらのデータに基づき、目的とする識別昆虫に対する電極間隔を決定することとした。 2.電極の形状と識別効果について検討:タバコシバンムシ、ショウジョウバエ、アザミウマを識別するための電極の形状、および、絶縁被覆材の材質を調査した。その結果、電極形状は平板型の方が丸棒型より有効であることが明らかとなった。また、平板型を絶縁被覆する材質には、体積抵抗が10の9乗レベルのものが最適であり、この条件は昆虫によって左右されないことが明らかとなった。 3.電圧と昆虫識別効果について検討:それぞれの昆虫を識別ために有効な電圧を調査した。その結果、1)大型昆虫の場合には、大きな電極間距離で、高い電圧が、2)小型昆虫には、小さな電極間距離で、低い電圧が有効であることが明らかになった。 以上1~3で明らかになったことを参考に識別装置の試作に入る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に計画した初年度の研究内容は、すべて終了することができた。おおむね順調に進展していると思われる。 初年度の研究実績:論文:Journal of Electrostatics (2014) 72 1-5, Electrostatic measurement of dischargeable electricity and bioelectric potentials produced by muscular movements in flies. 特許:静電場発生装置及びそれを用いた飛動生物除去方法 (特許番号:特許第5252449号) 登録日:2013年4月26日 著書:静電場スクリーンによる農作物防除システム-空間遮蔽のための静電気工学入門 (農文協)2014年3月10日初版
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Strategy for Future Research Activity |
インセクトレックのプロトタイプを製作し、昆虫の識別精度を検討する。 ・インセクトレックの設置方法・設置場所と昆虫識別効果を検討する。 ・風速と昆虫識別精度の関係を検討する。 ・昆虫の種類と識別精度の関係を検討する。 ・インセクトレックの設置と昆虫の各種類に対する識別効果を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度購入を予定していた実験昆虫(コナヒョウヒダニ)が入手できなかった為。 2014年5月以降、購入が可能となるため、その時点で予算を執行する予定である。
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Research Products
(2 results)