2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25450382
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
下保 敏和 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (30377171)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 反射分光 / 変調 |
Research Abstract |
反射分光による化学物質の成分量予測の精度向上を目指して、2箇所からの照明のエネルギを同時に観測して,後で分離できる装置の試作を行なった。本装置では,光を変調するためのチョッパ羽をDCモータで回転させる。モータの回転数を光電スイッチで読み取り,フィードバックすることにより回転速度を決定する仕組みになっている。チョッパ羽の回転速度をモニタした結果,正しく動作することを確認した。 本装置を用いて,観測エネルギを照明ごとに分離し,その分離性能について評価を行なった。受光側では変調しないため,受光場所による分離はできず,1箇所でのみ受光する仕組みとなっている。個々の照明を1つのみ使った時と,同時に照明を行なった時の観測結果から,観測条件ごとに個々の照明ごとのエネルギ量に違いがないことを示し,正しく分離できることを確認した。 ふるいにかけた砂に蒸留水を加え,含水率を調整してから,本装置で計測を行なった。この時に,含水比ごとに照明と受光の位置関係でスペクトル形状が変化することを確認した。次に,照明と受光の位置関係と試料の含水比の両方を変化させた場合について計測を行ない,スペクトルの変化量を定量化している段階である。 さらに,シミュレーションにより,観測面が変化した場合の観測光量の変化を求める準備を行なっている。現時点では,観測面が平板の状態で,特定の照明条件でのみ計算できるようになっている。さらに,複雑な条件で計算できるよう変更を行い,観測値と比較を行ないたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まずは,限定的な機能しか持たないが,計画した通りの試作装置の制作が完了した。その装置を用いて,部分的に計測を行なった。必要な設定条件すべてについて実験を完了してはいないが,この部分は労力を要するため,当初計画でも少しずつ計測を行なっていく予定であり,おおむね予定通り進んでいる。また,計測データの解析についても,現時点で可能な部分については完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在試作した装置では,受光を1箇所でのみ行なうことができるため,これを2箇所で可能なように改造することを検討する。装置を改造するため,受光側を2分岐と3分岐の末端を持つ特殊な光ファイバにする予定である。この改造により,同時に観測できる光の入射角と反射角の関係が倍に増加し,角度の違いによるスペクトル変化の取得が容易になることが期待できる。,理論上はこの改造によるメリットは大きいのだが,装置のレイアウトが難しい上に,観測される光の量も制限されるため,現実にはS/N比が悪化する可能性があり,必ずしも観測精度が良くならない場合も考えられる。また,変調周波数に関しても,干渉しないものを選ぶ必要がある。したがって,現在の装置と同程度のエネルギ量分離性能を維持した装置になるよう,試行錯誤を繰替えすことになる。 受光側を複数にするのは困難であるという結論に逹っした時には,照明側を増やすことで対処したいと考えている。照明側の光ファイバは通常の分岐が無いものでよいことと,照明側の装置配置には,受光側より自由度が大きいため,3箇所からの照明までについては,改造可能と考えている。ただし,照明を1箇所増やしても,光の入射角と反射角の関係は1つしか増えないため,受光箇所を増やしたよりも効果は少なくなる。 また,観測光量を求めるためのシミューレーションも行ない,観測結果と照し合わせて,装置の有用性について検討を行なう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
透過特性のよいPLフィルタを新調する予定であったが,今回の実験では既存ものでも利用可能であったため,購入を先送りした。新たな装置改造により,信号強度が低下することが予想されるので,装置の改造に合わせて購入する予定である。また,周辺電子回路の作成が順調に進み,電子部品の購入量が少なくて済んだためである。 装置の改造のため,部品を購入する予定である。また,PLフィルタを装置に合わせて購入する予定である。当初予定通り順調に進めば,部品購入費用が少なくなる可能性があるが,装置を何回も組み直した場合には,費用が足りなくなる可能性がある。
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