2013 Fiscal Year Research-status Report
意思決定機能を有するクラウド型農作業遠隔支援システムの開発
Project/Area Number |
25450383
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
森尾 吉成 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (90273490)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 農作業ロボット / 農作業遠隔支援 / 作業データ収集車両 / 作業動作収集システム / 首振りカメラ / RTK-GPS / 加速度・ジャイロセンサ / 画像処理 |
Research Abstract |
研究初年度の2013年度は,圃場内の農作業者の位置や動作を自動検出させながら作業者の行動データを自動収集できる農作業者行動データ自動収集車両の開発を行った.車両本体の開発では,農地を走行可能な電動パワーアシスト運搬車をベース車両として,RTK-GPS,加速度・ジャイロセンサ,Pan-Tilt-Zoom制御可能な首振りカメラ(PTZカメラ),制御用パソコンと液晶ディスプレイを搭載した車両を製作した.RTK-GPSと加速度・ジャイロセンサの制御用プログラムを開発し,RTK-GPSから得られたGPSデータから車両の位置をENU座標の形式で自動収集し,3軸加速度・ジャイロセンサが出力する加速度・角速度データから車両の姿勢を自動収集できる機能を実装した.さらに,PTZカメラを使って作業者の行動を自動追尾させる画像処理システムを開発することによって,作業者の位置や作業動作を自動収集できる機能を実装した.作業者の位置データについては,車両からの距離が 約 38 m までの範囲内であれば,分解能が約 1 m で検出可能であった.作業動作データについては,本年度は,畝立てされた圃場内で作業者が頻繁に行う農作業動作に注目し,次の4つの動作,1)旋回動作,2)屈伸動作,3)座位姿勢での腕の曲げ伸ばし動作,4)立位姿勢での腕の曲げ伸ばし動作,をリアルタイムに検出できる画像処理プログラムを開発した.検証実験では,今回開発したプログラム群が正常に稼働することが確認された.本年度得られた成果は整理され,すでに関連する学会に論文が1本投稿された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画どおり,圃場で稼働させる農作業者行動データ自動収集車両の基幹機能の開発はおおよそ完了した.しかしながら,圃場で収集した作業データを遠隔地にいる作業支援オペレータの入力端末に表示する機能の開発が若干遅れており,収集した行動データを作業支援オペレータが入力したデータにリアルタイムに関連づける機能が実装されていない.一方,作業者の作業動作を収集する画像処理システムの開発は予想以上に進み,作業通路内で実施される4種類の作業動作を予想していたよりも安定して検出できるシステムが開発された.指先だけを使った作業など,作業者の身体がほとんど動かない作業動作にも対応するために,現在新しい姿勢認識システムを開発しているが,すでに90%ほど完成しており,より詳細により安定して作業者の行動データを収集できる画像処理システムの開発が進められている.
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Strategy for Future Research Activity |
一つ目の目標として,開発が遅れている機能である,圃場で収集した作業データを遠隔地にいる作業支援オペレータの入力端末に表示する機能ならびに遠隔地にいるオペレータが作業支援メニューを選択する機能の開発を進めることによって,作業データと作業支援メニューをリアルタイムに関連づけ可能な作業収集システムを開発する.二つ目の目標として,収集した作業データからロボットが作業支援メニューを自律的に意思決定するシステムの開発を進める.2つめの目標である作業支援メニューの意思決定システムが,今年度の最も重要な研究課題である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験データならびに録画映像記録用メディアの購入費が予想よりも少なく済み,約1,300円の残額が発生した. 次年度の車両開発に必要な消耗品費に使用する.
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