2014 Fiscal Year Research-status Report
意思決定機能を有するクラウド型農作業遠隔支援システムの開発
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25450383
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
森尾 吉成 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (90273490)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 農作業ロボット / 農作業支援 / 作業動作認識 / カラーマーカ自動探索 / 作業通路検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目の2014年度は,初年度に開発した農作業行動データ収集車両を使って,作業者の動作データを現場で収集するとともに,収集した動作データを学習させた作業者の行動認識システムの開発を行った.さらに,作業者が支援を必要とするスポットに掲げたカラーマーカを1台の首振りカメラを使って自動探索するシステムや,作業支援車両が圃場の種類に左右されず自身が走行すべき通路の中央線を検出するシステム,の開発を行った. 作業者の行動認識システムの開発では,開発するシステムが実際の現場に導入可能であることを実証するために,実証現場としてエンドウ豆の日本一の産地である和歌山県日高郡地域でリーダー的な存在である1件の農業に注目した.エンドウ豆栽培における,水やり,播種,収穫,の3種類の作業動作を認識するシステムを開発した結果,2回行った実験において認識率が97%以上と高い結果を得ることに成功した. 支援スポットとして作業空間に掲げられるカラーマーカを自動探索するシステムの開発では,間口 30 m 奥行き 30 m の圃場空間の未知の場所に設置されたカラーマーカの3次元位置を,計測誤算が 1 m 以内,確度 98%で計測できるプロトタイプを開発した. 作業支援車両が走行すべき通路の中央線を検出するシステムの開発では,7つの圃場(作物無し,茶1,茶2,トマト,ピーマン,キャベツ1,キャベツ2)内の通路を,圃場や作物の色,模様,影などに左右されずに通路の中央線を検出する画像処理手法を開発した.検証実験では,成功率が89%と高い結果が得られた. 本年度得られた成果は整理され,既に関連する学会で発表を行うとともに,国際誌に論文が2本投稿された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際の農家が実演する作業動作を高い精度で認識することに成功したことから,今後行う予定である認識した動作から現場に必要とされる支援を意志決定することが容易となったから.非常にシンプルな支援メニューであれば,現時点で提供できるレベルまで開発が進んだ.
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Strategy for Future Research Activity |
農作業行動データ収集車両に搭載する機能としてこれまでに開発してきた,作業行動認識システム,カラーマーカ自動探索システム,作業通路検出システム,から得られる作業データをリアルタイムに分析し,車両がすべき行動を自己決定できるシステムの開発を行う.車両が決定すべき行動として,自身が注目すべき場所,自身の移動場所,遠隔地へ発信する情報や情報を発信するタイミング,などが挙げられる.
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Causes of Carryover |
システム開発用に必要な材料費が予定よりも少なくて済み,約9,600円の残額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度のシステム開発に必要な消耗品費に使用する.
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